2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390444
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田中 俊誠 Akita University, 医学部, 教授 (40002216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 淳 秋田大学, 医学部, 准教授 (80250877)
河村 和弘 秋田大学, 医学部, 助教 (10344756)
|
Keywords | 卵子成熟 / DNAマイクロアレイ / パラクライン因子 / 顆粒膜細胞 / 体外受精胚移植 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度にマウスを用いた動物実験により同定した、新規卵子成熟誘導因子のヒトにおける発現と卵成熟への効果について検討を進めた。正常性周期を有する患者から手術にて摘出された正常卵巣に免疫染色をおこない、卵巣由来パラクライン因子、その特異的受容体の発現の局在について解析した。さらに、体外受精胚移植治療において受精に至らず廃棄する予定の未受精卵を用いて、RT-PCR法および免疫染色法にて特異的受容体の発現を調べた。その結果、マウスで同定した新規卵子成熟誘導因子は全て、ヒト卵巣顆粒膜細胞/卵丘細胞または莢膜/間質細胞にて発現が認められた。また、その特異的受容体は未受精卵に認められた。ヒト卵胞液、卵丘細胞における新規卵子成熟誘導パラクライン因子の発現量と卵成熟の相関を検討するため、当科のヒト体外受精胚移植プログラムで採取した未受精卵のうち、顕微受精に供するため、採卵後すぐに卵丘細胞を除去して卵成熟を確認した卵に関して、廃棄する卵丘細胞を成熟卵、未成熟卵の二群に分け、RNAを抽出し、real-time RT-PCR法を用いて新規卵子成熟誘導因子の発現量を定量した。さらに、卵胞液中の新規卵子成熟誘導因子の発現量をELISA法にて測定した。現在のところ、新規卵子成熟誘導因子の発現量と卵成熟に関して正の相関の傾向が得られているが、統計学的解析により検討が可能な検体数に達しておらず、今後検体数を増やしていく予定である。また、新規卵子成熟誘導因子の遺伝子変異に関する検討は、インフォームドコンセントを得ることのできた該当症例がまだなく、今後の課題である。我々の研究成果はヒト卵子の成熟を調節する因子の同定と、その調節機構の解明につながり、その因子を用いたヒト卵子の体外成熟法の確立およびヒト体外受精胚移植における、良質な成熟卵子を得る手法の開発の道を開くと考えている。
|
Research Products
(8 results)