2006 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌・免疫系ネットワークを介した母体と胚の相互応答による胚着床誘導機構の解明
Project/Area Number |
18390447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
西 英一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30362528)
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Keywords | 着床 / 胚 / 子宮内膜 / 黄体 / 妊娠 |
Research Abstract |
ヒト胚はHCGを分泌し、母体血流を介して卵巣での黄体ホルモン産生を維持して子宮での自らの着床継続を可能とするが(内分泌系による母体-胚間の相互応答)、近年我々は免疫細胞も胚の存在を認識し母体の卵巣と子宮内膜に働きかけ胚着床を誘導する可能性を見いだしてきた(免疫系による母体一胚間の相互応答)。この機序には妊娠黄体の機能維持、胚接着前の子宮内膜分化促進、胚の子宮内膜間質内浸潤の促進が挙げられ、さらに免疫細胞はHCGの作用も受けて各段階における胚着床機構を促進している(内分泌・免疫系のネットワークによる母体一胚間の相互応答)。以上の背景をもとに、(I)内分泌・免疫系ネットワークを介した母体一胚間の相互応答機構の総合的な解析と、(II)着床部局所での胚-母体間の相互応答の分子機構の解析として1)ヒト胚の接着時期を制御する機序(接着誘導因子と阻害因子の同定とその機能解析)、2)胚の活性化を誘導する機予、3)内膜上皮間に間隙を形成する機序、4)子宮内膜間質内への埋没を誘導する機序の解明と、これらの情報に基づいた(III)胚着床障害症例に対する安全かつ有効な診断法と免疫細胞を活用した治療法の確立を目的として本研究を実行した。その結果、患者自身の末梢血免疫細胞を用いて子宮内膜分化を促進する方法の臨床応用において胚着床障害症例に40%前後の妊娠率を得るなど有意な成果を挙げることができた。引き続き平成19年度も特に機序の解明に重点をおいて研究を進める予定である。
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Research Products
(6 results)