2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロモーターマイクロアレイを用いた卵巣癌の薬剤耐性化遺伝子の解析
Project/Area Number |
18390448
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 慶一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50155058)
坂田 正博 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (10260639)
田原 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294091)
早川 潤 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80397736)
橋本 奈美子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60379253)
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Keywords | 卵巣癌 / プロモーターマイクロアレイ / シスプラチン / タキソール / NFkB / SiRNA / IAPファミリー / アデノウイルス |
Research Abstract |
今年度の目的は、薬剤耐性化のみならず、がんの浸潤・転移に関与する転写因子NFκBを介してその発現が誘導され耐性化に関与する遺伝子を同定することである。プロモーター上にNFκBの結合部位を有する10数種類のアポトーシス関連遺伝子などの腫瘍関連の遺伝子のプロモーター領域をPCR法にて増幅、精製した後、ハイブリスライド上にアレイプリンティングし、プロモーターマイクロチップを作成した。(1)シスプラチン耐性ヒト卵巣癌細胞株Caov-3細胞 (2)タキソール耐性ヒト卵巣癌細胞株SW626細胞にシスプラチンおよびタキソールを添加し、IκBのリン酸化特異的抗体を用いchromatin immuno-precipitation (CHIP)を施行することによって、細胞内で活性化された転写因子NFκBが結合しているDNA-protein complex (cross-linked DNA)を選択的に抽出した。その後、cross-linkingを解除し、活性化状態の転写因子NFκBが結合しているDNA (active DNA)のみを精製・抽出し、そのDNAを蛍光色素にてラベルし、プロモーターマイクロチップ上でハイブリダイゼーションし解析した結果、IAPファミリーの数種の遺伝子とのハイブリダイゼーションを認めた。次に、IAPファミリーの数種の遺伝子の発現の特異的な塩基配列を解析し、siRNAを作成した。卵巣癌細胞株(Caov-3細胞とSW626細胞)に上記にて作成したsiRNAを形質導入すると、シスプラチンもしくはタキソールに対する耐性性が解除され感受性を示すようになった。さらに、siRNAをアデノウイルスのベクターに組み込んだsiRNA発現ウイルスベクターを作成し、それをマウス卵巣癌モデルに形質導入し、長期持続的に遺伝子の発現をノックダウンすれば、シスプラチンおよびタキソールの薬剤耐性性が解除され感受性を示すことをin vivoにおいても確かめた。
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Research Products
(3 results)