2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚受容に関与するイオンチャネルの解析と難聴モデルマウスの作成
Project/Area Number |
18390460
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学研究科, 教授 (20216063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 信五 名古屋市立大学, 医学研究科, 教授 (80157750)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学研究科, 助教授 (20326135)
石田 雄介 名古屋市立大学, 医学研究科, 助手 (30381809)
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Keywords | 聴覚 / 内耳 / 有毛細胞 / イオンチャネル / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
我々は、感覚器に特異的な遺伝子の解析を進めてきた。その過程で内耳のcDNAライブラリーを作製し、内耳特異的な遺伝子の検索を行ってきた。また、内耳特異的候補遺伝子について、内耳でのin situハイブリダイゼーション法によりmRNAの発現部位を検索した。その結果、内耳の有毛細胞に発現するイオンチャネル遺伝子(ASIC1b)を見いだした。in situハイブリダイゼーション法による解析ではASIC1bは、外有毛細胞に強く発現し、内有毛細胞にも発現が認められた。さらに細胞内局在を検討するため、このイオンチャネルに対する抗体を作製し免疫組織化学法を行ったところ、ASIC1bイオンチャネルは有毛細胞において感覚毛がクチクラプレートに接する部分にのみ限局して分布していることが分かった。この領域は感覚毛が振動するときに、機械刺激の負荷がかかる部分なので興味深い。ASIC1bはASIC1aのスプライシングバリアントであるが、ASIC1aの方は内耳では、ラセン神経節に発現していてるが、コルチ器の有毛細胞には発現していなかった。そのため、ASIC1bを特異的にノックアウトするマウスを作成するためASIC1bのcDNAの配列を元にゲノムデータベースより、目的の遺伝子のゲノム上の位置を特定し、マウスゲノムライブラリーからASIC1の遺伝子のゲノムを得た。ASIC1bを特異的にノックアウトするベクターを構築し、エレクトロポレーションによってES細胞にベクターを導入しG418による選択培養を行い、相同組換えの起こったクローンを選出し、マイクロインジェクション法によりキメラマウスを作成した。このキメラマウスの交配後、ジャームライントランスミッションを確認し、ヘテロマウスを作成した。現在このF1マウスを交配中である。今後、C57BL/6とバッククロスを行い、聴覚検査を行う予定である。
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