2006 Fiscal Year Annual Research Report
房水流出機構の分子基盤の解明に基づく新しい眼圧下降治療の創出に関する研究
Project/Area Number |
18390470
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷原 秀信 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (60217148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲谷 大 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (40335245)
古賀 貴久 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70372787)
伊藤 康裕 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (70380996)
川路 隆博 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30423677)
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Keywords | 生理活性 / 薬理学 / 臨床 |
Research Abstract |
原発開放隅角緑内障(狭義)の病態は、眼圧上昇と特徴的な視神経症により構成されている。従って、眼圧上昇の詳細な機序の解明は、原発開放隅角緑内障(狭義)の病態を理解する出発点であり、視機能を維持するために必要な生理的眼圧恒常性の機構解明につながる。我々は、眼圧上昇の機序に重要な生理的房水流出機構について、分子基盤を解明する研究をおこなった。サル眼からシユレム管内皮細胞を単離し、シユレム管内皮細胞の安定した培養細胞系を確立した。血管やリンパ管の内皮における細胞タイプマーカーであるLYVE-1(Lymph Vessel Endothelial HA receptor-1)、FLT4/VEGFR-3(Vascular endothelial Growth Factor Receptor-3)、CD54(ICAM-1)、CD31/PECAM、CD34などの免疫染色実験をおこない、その免疫染色性を認めた。今後、単離培養されたシュレム管内皮細胞のin vitroでの評価系を用いて分子レベルの眼圧上昇機序の解明を行う。また、房水流出路異常に基づく臨床研究として、トリアムシノロン誘発性眼圧上昇に関する危険因子について検討をおこなった。40mgのトリアムシノロンをテノン嚢下に注入すると、22.6%の症例で、24mmHg以上の眼圧上昇が生じ、特に若年者は眼圧上昇の危険因子になることを示した。現在、トリアムシノロン投与の至適条件を検証するために、さらに多施設での研究調査を進めている
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