2007 Fiscal Year Annual Research Report
房水流出機構の分子基盤の解明に基づく新しい眼圧下降治療の創出に関する研究
Project/Area Number |
18390470
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷原 秀信 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲谷 大 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40335245)
古賀 貴久 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70372787)
伊藤 康裕 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70380996)
川路 隆博 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (30423677)
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Keywords | 緑内障 / 房水流出路 / ROCK阻害薬 / トリアムシノロン / アミロイドーシス |
Research Abstract |
原発開放隅角緑内障(狭義)や続発緑内障における緑内障性視神経症の原因は、生理的房水流出路における房水流出抵抗の増大による眼圧上昇に起因している。本年度は、生理的房水流出路からの房水流出を改善させ、眼圧を下降させる新しい薬剤であるROCK阻害薬の動物実験およびヒトを対象とした臨床試験をおこなった。点眼薬として使用可能なROCK阻害薬Y-39983(SNJ-1656)は、室温で安定した性質を有しており、従来のROCK阻害薬では不可能であった点眼薬として保管可能な薬剤である。ウサギ眼とサル眼において、この点眼薬は、良好な眼圧下降作用をしめした。一方、ヒトの臨床試験では、第1相臨床試験として、健常男性のボランティアにROCK阻害薬SNJ-1656を点眼し、その眼圧下降作用と安全性を検討した。SNJ-1656は、良好な眼圧下降作用を示し、重篤な副作用がみられず、今後の第2相臨床試験をおこなううえで、有望な結果を得ることが出来た。また、ウサギ眼を用いた濾過手術にROCK阻害薬を投与したところ、濾過胞の形成が促進され、手術後の眼圧下降の維持に役立つことがわかった。さらに、続発緑内障の研究として、ステロイド緑内障の研究をおこなった。最近、眼科治療で広く用いられている徐放性ステロイド薬であるトリアムシノロンを眼局所に投与すると眼圧上昇をきたしステロイド緑内障を発症することがある。その眼圧上昇の危険因子が、若年者、高いベースライン眼圧、硝子体内への注射、大量注射がリスクファクターであることを報告した。
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Research Products
(5 results)