2007 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性に対する血管内皮増殖因子を標的としたドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
18390471
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60273447)
櫻井 英二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30305528)
安川 力 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00324632)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / ドラッグデリバリーシステム / ドルーゼン / 脈絡膜新生血管 / 家兔 / 動物モデル / 網膜色素上皮 |
Research Abstract |
欧米における成人失明の主因であり、近年、我が国においても増加傾向にある加齢黄斑変性の病態に近い動物モデルとして、我々は、加齢眼における網膜色素上皮内のリポフスチン蓄積を模倣するため、最終糖化産物(AGE:advanced glycation end products)からなる模擬リポフスチン微粒子を作製し家兔の網膜下に注入したところ、加齢性沈着物であるドルーゼンや脈絡膜新生血管が形成することがわかった。このモデルにおいて、Heidelberg Retina Angiography(HRA)-2にて人間の加齢眼で認めるような異常な眼底自発蛍光も確認できた。現在、加齢黄斑変性に対して、抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体であるbevacizumabやranibizumabなどの4週間ごとの硝子体注射が有効であることが臨床で実証されているため、これら抗体製剤の使用性改善のために、抗体の眼内ドラッグデリバリーシステムの開発を行っている。今後、薬物徐放試験、家兔加齢黄斑変性モデルに対する有効性など調査を行い、抗体以外にもサイトカインなどのタンパク製剤などのドラッグデリバリーも検討する予定である。また、新生血管の血管内皮細胞で優位に発現しているICAM-1を抑制する配列を持つsiRNAを産生するプラスミドをデザインし、hydrodynamics-based transfection techniqueを用いてマウスに静脈内大量投与を行ったところ、網膜内に導入できることをGFP発現プラスミドで確認した。さらに、STZ投与により作成した糖尿病マウスにおいて発現亢進しているICAM-1を、ICAM-1特異的プラスミドsiRNA導入で優位に抑制することができた。今後、臨床応用を目指すため、家兔など大型動物でのプラスミド導入効率を上げるための検討を行う。
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Research Products
(3 results)