2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390474
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古村 眞 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (10422289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩中 督 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90193755)
金森 豊 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (20221187)
杉山 正彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (00270877)
|
Keywords | 再生医療 / 気道再生 / 軟骨再生 |
Research Abstract |
家兎の耳介軟骨を採取し、軟骨細胞を酵素法にて分離し、培養した。必要細胞数まで軟骨細胞を増殖させ、この軟骨細胞をPoly Glicolic Acid(PGA)メッシュの足場素材に播種させ、無胸腺マウスの皮下に移植した。移植後、6週から8週間後に軟骨再生が可能であることが、確認された。この分離培養法にて、軟骨再生を可能とする軟骨細胞が分離できることを確認した。 また、軟骨細胞を足場素材に播種させた移植片は、軟骨の再生過程において、最短で移植後6週で家兎気管軟骨とほぼ同等の物理学的特性を獲得することが解明された。この実験結果を踏まえて、気道再生のためのステント系の吸収性足場素材を開発した。このステント系足場素材は、内層にコラーゲンシートを貼り、中間層にPGAメッシュ、外層に気管の内圧変動に耐えうる乳酸とカプロラクトンの重合体の格子によって構成されたものである。 このステント系足場に家兎耳介軟骨細胞(10x106個/cm3)を播種させ、移植片を作成した。家兎の気管前壁に4x8mm大の気管欠損部を作成し、この移植片を移植した。移植1ヶ月後、粘膜上皮は周囲から遊走し移植片に再生していた。b-FGF徐放製剤を移植片に投与することによって、移植後3ヶ月では軟骨再生が促進されることが確認された。このステント系足場を用いることで、軟骨が再生されるまで、気道内腔が維持されることが確認された。さらに、移植6ヶ月後には、一層の軟骨再生がPGAメッシュの吸収とともに確認された。このステント系足場素材が、気道の内腔確保を行い、軟骨再生の足場素材として有用であることが示唆された。また、b-FGF徐放製剤を用いることが、気道系の軟骨再生に有用であることが確認された。
|
Research Products
(5 results)