2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンチトロンビンIIIの受容体としてのシンデカン4コア蛋白の解析
Project/Area Number |
18390479
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
南谷 佳弘 Akita University, 医学部, 准教授 (30239321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 純一 秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)
齋藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
片寄 喜久 秋田大学, 医学部, 講師 (40282165)
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Keywords | 急性呼吸窮迫症候群 / アンチトロンビンIII / シンデカン4 |
Research Abstract |
近年,急性呼吸窮迫症候群の治療成績が向上してきたとは言え,いまだその救命率は低い.特に敗血症に続発する場合は予後が悪く,その病態解明と治療法の確立は急務である.アンチトロンビンIII(AT)は抗凝固作用のために,主に播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療に用いられているが,その作用機序はトロンビンや他の凝固因子に結合して失活させることである.一方,DICばかりでなく重症敗血症に対するATの有効性がメタアナリシスで確認された.この効果はATの抗凝固作用のみでは説明がつかない.これまで我々は,ラットにエンドトキシンを投与した時に生じる好中球の肺毛細血管への捕捉とそれに引き続く好中球の活性酸素産生をATが抑制すること,そして好中球の変形能の低下の原因であるアクチンの重合を抑制することを明らかにした.一方,分離人好中球をATで前処置するとfMLP投与による好中球変形能低下とアクチン重合が抑制されることを明らかにした.さらにヘパリン親和性の無いlatent-ATが同じ反応を示すことから,好中球細胞膜上に発現する新たな受容体が存在することを示した.培養腫瘍細胞HT1080をheparinaseやsodium chlorateであらかじめ前処置してheparan sulfateを除去した後に,アンチトロンビンIIIを添加してアンチトロンビンIIIのheparin binding site以外と結合するアンチトロンビンIIIの受容体蛋白を結合させた.そして電気泳動で結合している蛋白を分離した.それらの蛋白を一つ一つ質量分析器にかけて,蛋白の種類を検索した.その結果heparan sulfateを除去したにもかかわらず,グリコサミノグリカンの一種であるシンデカン4が検出された.さらに証明するために,に示すIP-western法により,heparinaseやsodium chlorate処理で細胞膜上heparan sulfateを完全に除去しても,アンチトロンビンIIIはシンデカン4と結合することを示した.以上のことはシンデカン4がアンチトロンビンIIIの受容体であることを示す結果であった.
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