2006 Fiscal Year Annual Research Report
急性期脊髄損傷に対する培養自家骨髄間質細胞移植による脊髄再生治療
Project/Area Number |
18390482
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中谷 壽男 Kansai Medical University, 医学部, 教授 (70188978)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義久 財団法人田附興風会医学研究所, 第3研究部, 研究主幹 (30243025)
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (70010080)
岩瀬 正顕 関西医科大学, 医学部, 講師 (30247902)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 脊髄再生 / 脊髄損傷 / 脳・神経 / 骨髄間質細胞 |
Research Abstract |
本臨床研究については、すでに本学の医学倫理委員会委員会に於いて承認を受けていた。これに基づき、脊髄損傷患者で本臨床研究の適応患者第一症例に対して合計5時間に亘る説明と同意を得た後、本臨床試験を実施した。すなわち、患者自身の骨髄間質細胞を分離培養し、髄腔内投与の手法にて患者に移植した。この方法による脊髄再生治療は、世界初の試みである。患者は、移植後に移植に伴う副作用がみられることはなかった。外部委員を含む効果・安全性評価委員会にて経時的に安全性と効果について検証を依頼しており、安全性に関しては何ら問題は起きていない。効果に関しては、本症例の改善程度は、試験実施前に設定した基準では著効の範疇に入り、従来の治療で報告される症例と比較しても最大の改善を示している。また、この試験期間に同様の損傷を負い、当施設で加療したものの、本療法の適応とならなかった対照症例に比較しても良好な改善を示している。しかし、本治療方法としての効果を論じるには多くの症例を重ねて行く必要がある。 今回の臨床試験では、効果比較のためにも、例えばステロイド大量療法を直後に実施したものに限定する等のように、適応条件に制限を設けたため、適応症例が限定され、多くが適応外となっている。その中で、発生した適応第2症例では、cGMP基準をクリアする設備での骨髄間質細胞培養中にマイコプラズマ試験の一部に陽性反応を認めたため、細胞移植を中止した。期間内に数例を実施したいと考えていたが、適応条件などの問題があり、適応と判断でき、同意を得て間質細胞を培養したものが2例、実際に移植できたのは1例であり、予定症例数に達しなかった。そこで現在、多施設に協力を依頼し、患者の紹介体制、および治療後の逆紹介体制を整えて患者発生に備えている。
|
Research Products
(7 results)