2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390490
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
穂積 信道 Tokyo University of Science, 生命科学研究所, 教授 (60051744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光浩 産業医科大学, 生化学教授, 講師 (00321662)
渋井 秋子 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教 (50313846)
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Keywords | オステオカルシン / RUNX2 / 軟骨形成 / 骨再生 / コラーゲン遺伝子 / 転写因子 |
Research Abstract |
長管骨は軟骨内骨化により形成される。初期軟骨形成では骨形成予定領域で間葉系幹細胞の凝集がおこり、軟骨細胞が分化し、軟骨基質が産生される。後期軟骨形成では、骨芽細胞の分化により骨基質が盛んに産生されるようになり、軟骨基質は、最終的には骨基質によって置き換えられ骨形成が完了する。軟骨形成の指標となる2型コラーゲン遺伝子は初期軟骨形成に特異的に発現し、後期軟骨形成においては発現が低下する。Runx2は骨芽細胞分化を促進するが、軟骨細胞分化における機能は不明である。 我々は転写因子、Runx2,が2型コラーゲン遺伝子のプロモーターに結合することを見いだした。この点に鑑み、本年度はRunx2遺伝子が発現するメカニズムの解明に向けて研究を行った。ヒト軟骨肉腫細胞下部(SW1535)、ヒト骨肉腫細胞株(MG63),ヒト間葉系幹細胞(hMSC)、ヒト奇形腫細胞株(NEC14),マウス軟骨様細胞株(ATDC5)を使用した。軟骨細胞特異的に発現するCOL2A1,COL10A1遺伝子はSW1353株、hMSCで発現することが明らかとなった。オステオカルシンはMG63,hMSCで発現した。COL2A1,COL10A1、オステオカルシンはATDC5細胞にインスリンを加え軟骨細胞分化を誘導した際に発現が認められた。hMSCはRUNX2wtと3つのalternatively splicedアイソフォーム(RUNX2Δ5,Δ7,Δ5Δ7)を発現した。しかしRUX2Δ5,とΔ5Δ7においては核内への移行はみられなかった。オステオカルシン遺伝子プロモーターの機能亢進はRUNX2wtとRUNX2Δ7でのみ観察された。さらに、co-activatorのCBP/p300はこれらのRUNX遺伝子と供発現した時にのみオステオカルシン遺伝子の発現を促進させた。またco-repressorであるHDACは、RUNX2wt遺伝子と供発現させた時にのみオステオカルシン遺伝子の発現を抑制した。 これらの結果はRUNX2は標的遺伝子の発現を転写因子co-factorの異なった組み合わせにより正と負の両方のメカニズムで制御することが明確に証明された。本研究の成果は、軟骨形成制御の研究に大きな貢献をするものと考える。
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Research Products
(5 results)