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2006 Fiscal Year Annual Research Report

アロディニア発症の分子機構とその治療薬の開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18390491
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

土肥 敏博  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00034182)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森田 克也  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (10116684)
森岡 徳光  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20346505)
北山 友也  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60363082)
北山 滋雄  岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80177873)
Keywords神経因性疼痛 / アロディニア / グリシン / トランスポーター / グリシントランスポーター阻害 / NMDA受容体
Research Abstract

アロディニアallodyniaは本来痛みを伝えない非侵害性の刺激によっても痛みを生じ,神経因性疼痛neuropathic painの主症状として知られる.アロディニアは抜歯,抜髄他外科的処置時の神経損傷や慢性炎症時に生じる長期間持続する痛みの成因となる.アロディニアは難治性で,非ステロイド性抗炎症薬を含む従来の鎮痛薬は有効でない.アロディニアの発症の分子機構は解明されておらず,口腔領域,全身において共通の重要な研究課題である.本研究は,各種神経損傷モデルを用いて,グリシン受容体機能,活性化ミクログリアの係わり,更に,グリシントランスポーター阻害作用を有する薬物に抗アロディニア作用を明らかにし,新規抗アロディニア作用薬,鎮痛薬の開発を目指して企画した.
1.マウス坐骨神経部分結紮神経障害モデルを作成した.本モデルにおいて,グリシントランスポーター(GlyT)およびグリシン受容体(GlyR)の発現はウエスタンブロッテイングにおいて変化は見られなかった.活性化ミクログリア(OX-42)は術後3日および5日以降に,2相性に増加していた.
2.GlyT1選択的阻害薬,ORG25935,sarcosineの脊髄腔内投与および静脈内投与は,投与後約2時間の潜時の後72-96時間持続する,極めて長時間抗アロディア作用を示した.NMDA受容体グリシン結合部位阻害薬DCK,L-701324は潜時を消失させ,持続時間をさらに延長した.
3.Glyt2選択低阻害薬ORG25543,ALX1393は潜時の無い,長時間持続性の抗アロディニ作用を示した.
4.これら薬物の静脈内投与による抗アロディニア作用は,グリシン受容体拮抗薬ストリキニーネの脊髄腔内投与により,あるいはGlyRα3siRNAの脊髄腔内投与によりGlyRα3 knockdownすることにより拮抗された.
以上,脊髄グリシン神経はGlyRα3を介してアロディニアを制御しており,GlyTs阻害薬はシナプス間隙のグリシン濃度を高めて長時間持続する抗アロディニア作用を発現することが明らかとなった.次年度以降,脊髄GlyTsを標的とした神経因性疼痛の制御機構解明と新規治療薬開発のために研究を発展させたい.

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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