2008 Fiscal Year Annual Research Report
4回膜貫通蛋白質テトラスパニンの癌転移抑制機構を利用した新規口腔癌治療法の開発
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18390499
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉浦 剛 Kyushu University, 大学病院, 講師 (40322292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白砂 兼光 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | CD82 / KAI1 / E-cadherin / シアリルルイス抗原 / 癌細胞接着 / 癌浸潤転移 / テトラスパニン |
Research Abstract |
テトラスパニン・スーパーファミリーに属する癌転移抑制因子CD82/KAI-1の細胞間接着における機能についてCD82低発現コントロール細胞株hl299/zeoおよびCD82強制発現細胞株h1299/CD82を用いて検討した。 1.癌細胞同士の細胞間接着におけるCD82/KAI-1の機能解析 コントロール細胞株は活発な原発巣からの細胞離脱が認められるが、CD82の強制発現によって、完全に抑制された。さらに、CD82の強制発現は細胞凝集を著明に促進した。この細胞凝集はEDTAおよびE-cadherinの中和抗体処理で阻害された。CD82強制発現はE-cadherinの発現に変化を及ぼさなかったがE-cadherin/β-catenin複合体を増加させていた。CD82強制発現により、β-cateninのチロシンリン酸化が抑制されており、CD82はE-cadherin/β-catenin複合体を安定化することで、E-cadherinによる癌細胞間接着を強固にし、癌細胞の原発巣からの離脱を阻害していると考えられた。 2.血管内皮細胞への細胞間接着におけるCD82/KAI-1の機能解析 マウスの実験的肺転移モデルにおいてCD82の強制発現は肺転移を約70%抑制した。CD82は癌細胞の並管内皮細胞への接着を著しく低下させた。コントロール細胞株の血管内皮細胞への接着は抗シアリルルイスA,X中和抗体により抑制されることより、CD82がその抑制に関与していることが示唆された。CD82強制発現によってST3β-gaiactoside α-2,3-sialyltransferase4(ST3GAL4)が1/20に抑制されていた。CD82は、 ST3GAL4の発現抑制により、シアリルルイス抗原の生合成を阻害し、血管内皮細胞への癌細胞接着を抑制していると考えられた。
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Research Products
(9 results)