2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390500
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 卓 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 美佐 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90284702)
佛坂 由可 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10244089)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20300882)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80284701)
市川 陽子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90380857)
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Keywords | FEN-1 / 老化 / トランスジェニックマウス / 脱毛 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
nuclease活性を失わせたFEN1(nuclease-defective FEN1,ND FEN1)をコラーゲンプロモータにより発現させたトランスジェニックマウスに長期間(5か月)紫外線(UV-B)を皮膚に照射し続けた後、紫外線障害からの回復過程をやはり長期に亘って観察し、紫外線による癌化にFEN1がどのように関わっているかについて、検討した。事前に行ったパイロットスタディーでは紫外線を照射した3匹のトランスジェニックマウスの内、2匹で紫外線に照射した部分の皮膚に悪性腫瘍の発生を確認できた。 一方、野生型のマウスでは3匹中、悪性腫瘍の発生を確認できたものは1匹もいなかった。組織学的には発生した腫瘍は2匹共に肉腫(fibrosarcoma)であった。トランスジェニックマウス、野生型マウス共に匹数を増やして実験をした結果、トランスジェニックマウス22匹中13匹に悪性腫瘍の発生を確認できた。一方、野生型でも悪性腫瘍の発生は認めることができたが(24匹中7匹)、明らかな有為差があった。更にKaplan-Meier解析を行った結果、トランスジェニックマウスと野生型マウスとの間で、腫瘍の発生頻度ならびに発症時期の早遅に明らかな有為差を認めた。また、in vitro実験において、野生型FEN1を過剰発現させたヒトT24膀胱癌細胞とnuclease活性を失活させたFEN1を強制発現させた細胞とで、DNA障害刺激に対するH2AXのリン酸化に明らかな差が認められた。このことはFEN1がDNAの修復機構に重要な役割を荷っていることを示しており、ひいてはこの差が、in vivoでの紫外線照射後の組織修復過程ににおいてFEN1nuclease活性を失った皮膚線維芽細胞からより高頻度に悪性腫瘍が発生した原因の1つであると考えた。以上の結果は、平成21年度日本歯科放射線学会総会(大阪)で発表の予定である。また、結果を論文として公表する予定である。
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Research Products
(1 results)