2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯質接着界面のバイオデグラデーションへのナノレベルでの検索とその制御
Project/Area Number |
18390502
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐野 英彦 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 哲 北海道大学, 大学病院, 講師 (80184745)
野田 守 北海道大学, 大学病院, 講師 (10301889)
橋本 正則 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00337164)
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Keywords | ナノテクノロジ / 歯質接着 / 重合 |
Research Abstract |
超高圧電子顕微鏡での検討では、エナメル質を構成する原子の配列は観察可能になったが、機能性モノマーとアパタイトとの相互作用は現時点では観察できていない。これは、試料の厚みのコントロール、電子線の試料に対する向き、および電子線によるビームダメージが主な原因と考えられる。今後はこの辺りの解決策を検討していく予定である。樹脂含浸層の劣化機構はとしては、水分が到達し得る象牙質接着界面では樹脂含浸層からレジンの抽出がまずみられ、その後の超微細構造的な検討では、含浸層内からのレジンの抽出およびコラーゲン線維の劣化が認められ、これには何らかの形でMMPが作用していたことが推測される。MMPの接着界面への作用機序としては、だ液由来、象牙細管由来あるいは歯の発生期に取り込まれたMMPがアクティベートされ、露出コラーゲンを消化していったものと考えられる。 一方、生体内では、抜去歯でMMPを作用させた場合と似たような劣化像を示すことが分かった。そこで、唾液、MMP、その阻害剤であるクロルヘキシジン水溶液中に保存した試料の接着耐久性を検討したところ、接着システムによっては接着強さの劣化が見られた。MMP阻害剤であるクロルヘキシジンが接着の劣化に完全に寄与できないことが分かった。 また、ナノテクノロジーによってある種の触媒を利用すると初期接着強さが倍増することが観察され、接着界面の重合が向上する可能性が見られた。今後は接着界面の重合の向上で、接着耐久性を引き上げる方向の検討も視野に入れていく予定である。
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