2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体に安全で環境にクリーンな低温プラズマ滅菌法の開発
Project/Area Number |
18390503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉澤 かほる 東北大学, 病院, 講師 (00124602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉澤 佳純 東北大学, 病院・助教授 (10124603)
根本 英二 東北大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40292221)
金谷 聡介 東北大学, 病院・医員 (80375097)
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Keywords | プラズマ / 滅菌 / 酸素 / 水 / 低温 / ラジカル |
Research Abstract |
加熱因子でなくプラズマ本来の効果で,しかもできるだけ低温で,生体に安全で環境にクリーンなプラズマ滅菌法の確立を目的として以下の項目を検討した。 1.試料台の温度計測:現有プラズマ装置(ワイエイシイ,PACK3,13.56MHz)において,試料台(ステンレス製)の温度変化を熱電対にて計測した。熱電対はプラズマからの電気的な影響を避けるため、測定部を含め全て絶縁体で覆い、回路にはローパスフィルタを設けた。1)石英棚の各段に試料を配置し温度分布を調べた。その結果,予想外にチャンバーの中心が最も低かった。放熱による損失が高い手前の側ほど低温で,外周部ほど高温になる傾向があり,また,上下方向よりヒーターが設置してある横方向での温度が高かった。2)試料台をチャンバーの中心に設置して,装置起動後の温度変化を計測した。その結果,温度が完全に安定するまでに30分要した。2.滅菌効果:試料台に3種の芽胞B.stearothemopyus, B.atrophylus (旧称,B.subtilis), B.pumilusを10^4,10^5,10^6個づつ塗布して,酸素,水を含んだ酸素,空気それぞれにてプラズマ処理(150W;10分;10Pa,25Pa,50Pa)を行い,滅菌効果を検討した.水を含んだ酸素は,H_2O気化供給装置を用いて装置に供給した。その結果:1)酸素が最も滅菌効果が高かった。水を含んだ酸素では,水の比率が小さいほど滅菌効果が高かった。2)ガス圧は低い方が,滅菌効果が高かった。3)3種の芽胞ではB.pumilusに対して滅菌効果が高かった。4)OラジカルやOHラジカルは,現有分光測定器では検出限界以下であった。 次年度は,電子顕微鏡観察によりプラズマ処理条件と芽胞の形態変化を調べると共に,高感度の微弱光領域の分光が可能な計測器を導入して,発光スペクトルと滅菌効果との関係を明らかにする。
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