2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄疾患に伴う難治性の痛みに関する臨床的ならびに基礎的研究
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18390504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
砂川 光宏 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 准教授 (30179288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 英明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00114760)
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Keywords | Musratd oil / 三叉神経脊髄路核 / 視床 / p 38MAPK / GFAP / NMDAR / 日本語版McGill疼痛質問表 / VAS法 |
Research Abstract |
歯髄疾患に伴う難治性疼痛の発症の機構を解明する基礎的研究として,SDラットを用いた動物実験にて歯髄を細神経興奮性物質かつ起炎性物質であるmustard oilにて化学的に刺激した際の中枢神経系の早期の神経科学的解析として,三叉神経脊髄路核及び視床内のp38MAPK,GFAP及びNMDARのmRNAの発現状况をRT-PCR分析にて解析した。刺激側と同側の三叉神経脊髄路核と対側視床でこれらのmRNAの発現が確認された。前2者はglia細胞の活性状態を,また後者はneuronの活性状態を示しているので,歯髄神経の興奮は中枢においてneuronのみならずgliaも早期から活性化していることが示唆された。現在,この研究は継続実行中であり,これまでに実施してきたneuron活動記録の実験との融合を進める予定である。 歯髄疾患に伴う難治性疼痛の発症の機構を解明する臨床的研究として,広義の歯髄疾患に罹患している患者で,疼痛を訴えて紹介されて本学歯学部附属病院を受診した患者の治療前の疼痛状態を,客観的に測定する方法の確立を試みた。日本語版McGill疼痛質問表とVAS法による解析を実施したところ,頑強な疼痛に罹患していた患者(OCP)群と通常の慢性根尖性歯周炎の患者群との間には,有意差をもって前者の方がMcGill疼痛質問表の感覚的痛み指標,評価的痛み指標,及び総合的痛み指標のスコアが高いことが示され,またVAS値においても前者の方が有意に高い値を呈することが判明した。これらの事実から,本研究で行ったMcGill疼痛質問表とVAS法に加えて,X線検査の画像診断を的確に行うことにより,OCPの診断が的確に行える可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)