2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390506
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (00117053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 助手 (60380466)
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Keywords | ヒト歯根膜細胞 / SV40 large T抗原 / hTERT / STRO-1 / CD146 / SCIDマウス / β-TCP |
Research Abstract |
矯正治療を目的として来院した患者(20歳女性)より抜歯した小臼歯歯根の中央3分の1より採取した歯根膜組織をin vitroにて培養し、遊走してきた細胞をプライマリーのヒト歯根膜細胞(HPLF)とした。っぎにHPLFにSV40 large T抗原をコードする遺伝子(SV40T-Ag)とヒトテロメレース逆転写酵素をコードする遺伝子(hTERT)とを導入し不死化したSTPLFを作製した。さらにSTPLFをクローニングし、in vitroにて骨芽細胞及び脂肪細胞様細胞への分化能を示す未熟な細胞株(1-11)を樹立した。1-11細胞株はSTRO-1及びCD146を表面抗原として発現した。またβ-TCPと共に免疫不全(SCID)マウスの背部皮下に移植した結果、4週間後にβ-TCP周囲にセメント質様の硬組織を形成した。さらに移植期間を延長し8週間後には、β-TCP周囲に、既に観察された硬組織に加えて、その中に陥入したSharpey線維様の線維束を持った歯根膜様の構造体を形成した。この時1-11細胞株は、ペリオスティン及びオステオカルシンを分泌し、それぞれ線維束及び硬組織に局在していた。以上のことから、1-11細胞株は歯根膜内に存在する未熟な細胞に由来しており、SCIDマウス内にて歯根膜様の組織形成能を持つ細胞株であり、歯根膜組織再生機構を解明していく上で、有用な細胞であることが示唆された。今後、この細胞株を用いて、歯根膜組織形成時に必要な遺伝子について同定することを計画している。
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Research Products
(4 results)