2009 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶ポリマーを用いた生体機能材料の開発と根管充填への応用
Project/Area Number |
18390507
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
塚田 岳司 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70236850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70152791)
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
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Keywords | 形状記憶ポリマー / トランスポリイソプレン / 根管充填剤 / 暫間被覆冠 |
Research Abstract |
根尖孔が大きく開いた根管に対する根管充填処置は、現行の根管充填法である側方加圧法や垂直加圧法による根管充填法では充填しづらく、根管充填材の根尖歯周組織への押し出し等のトラブルが生じやすい。そこで、形状記憶ポリマーを用いて根管充填用ポイントを試作し、根尖孔が大きく開いた人工根管に対して根管充填を行い、封鎖性試験を行なった。トランスポリイソプレン100に対して、酸化亜鉛30、ステアリン酸1、硫黄1.42、ジクミルペルオキサイド8.5の配合率で混練を行った後、100℃に加熱したポイント作製用金型へ填入し、金型の温度を15分程度で約170℃まで上昇させることによって、トランスポリイソプレン分子間の架橋を行い、形状を記憶させた試作の根管充填用ポイントを作製した。このポイントを80℃で加熱軟化した後、変形固定用金型に填入して、80番のマスターポイントと、ほぼ同様な形状に変形させた状態で、-20℃で3時間冷却することにより、その変形させた形状の固定を行なった。人工根管については、60番のKファイルを用いて、アクリル製根管樹脂模型(S1-U1:NISSIN社製)の根尖部を、大きく穿通するように拡大し、80番のKファイルを用いて、根尖部で80番のガッタパーチャポイントが止まるように最終的に拡大形成した。その後、変形固定を行なった試作ポイントを、37℃空気中に保存した人工根管に挿入し、垂直方向に圧接した。試作ポイントは、37℃の温度刺激により、変形固定させた形状から元々記憶していた形状へと復元するように材料設計されており、その形状の復元によって、根管の封鎖を行なった。圧接は2分間行なった。シーラーは併用しなかった。 根管充填後、現在も色素浸透試験を継続中であるが、長期のもので約2年間にわたって、ほとんど色素の浸透を認めず、良好な封鎖が認められている。
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Research Products
(1 results)