2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390510
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 誠 Tohoku University, 大学院・歯科研究科, 教授 (80091768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 明人 東北大学, 病院, 助教授 (00241646)
伊藤 進太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00361105)
山口 哲史 東北大学, 病院, 助手 (50400263)
竹島 秀俊 東北大学, 病院, 医員 (30396452)
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Keywords | fMRI / 脳可塑性 / 口腔環境 / 口腔機能 |
Research Abstract |
今年度は、口腔環境変化によって引き起こされる脳機能局在変化を、MRI装置を用いて評価した。12名の若年健常被験者に、右下第一大臼歯のみを被覆するスプリントを装着した状態と何も装着していない状態とでクレンチングを行わせ、MR装置で脳機能画像の撮影を行った。スプリントは、右上第一大臼歯の近心舌側咬頭が右下第一大臼歯に対して咬合する部位が0.5mmとなり、それ以外の部位での接触が起こらない様に厳密に調整を行った。 クレンチング時と安静時の脳画像の比較を行うことで、それぞれの状態におけるクレンチングに関連する脳賦活領域を検索すると共に、右側の上下第一大臼歯同士の咬合のみを挙上することによる脳賦活領域の変化を解析した。脳画像の解析にはSPM2を用い、特に運動学習において重要な役割を担う事が知られている小脳と、運動との関わりが深い前頭葉では多重比較無補正、p=0.001、extent threshold=20voxelsで分析を行った。 その結果、右側第一大臼歯の咬合を挙上した場合のクレンチングでは何も装着せずにクレンチングを行った場合と比較して、両側の小脳がより強く賦活していた。これは我々が過去に報告した、ガム咀嚼時の小脳の活動が口腔環境の変化に伴って一時的に賦活されるという結果と一致する。しかし、右側第一大臼歯の咬合を挙上してクレンチングを行った際には、何も装着せずにクレンチングを行った場合よりも右側の補足運動野付近における脳活動が低下していた。この現象については、今後さらに詳細なデータを収集して考察を行う必要がある。
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