2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390510
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 誠 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 客員教授 (80091768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 明人 東北大学, 病院, 准教授 (00241646)
山口 哲史 東北大学, 病院, 助教 (50400263)
伊藤 進太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院・非常勤講師 (00361105)
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Keywords | fMRI / 脳可塑性 / 脳機能 / 口腔環境 |
Research Abstract |
一部の歯の咬合面にレジンキャップを被せることにより一時的に咬合を変化させた状態で噛み締めや咀嚼を行うことによる脳賦活領域の変化と、その後の機能的適応についてfMRIを用いて検証した。左上犬歯舌側面にレジンキャップを装着、または非装着の状態で、左側ガム咀嚼時のfMRI撮影を9名(平均年齢28.7±2.1歳)の被験者で行った。MRIの撮像条件には、前年度までの予備実験によって最適化されたものを用いた。レジンキャップを装着する前に撮影を行った後に装着状態での撮影を行い、その後30分間連続装着させた後にもう一度装着状態での撮影を行った。9人中6人の被験者については各条件において左臼歯部でワックスキューブによる咀嚼能率測定も行った。脳画像の解析にはSPM2を用い、多重比較無補正、p=0.001、extent threshold=20voxelsで分析を行った。レジンキャップ装着での左側ガム咀嚼において非装着の場合と比較して、右左小脳の後葉や右頭頂葉の縁上回付近などが主に賦活していた。レジンキャップ連続30分装着での左側ガム咀嚼では装着直後の場合と比較して、右小脳後葉で賦活が低下していた。咀嚼能率と正の相関を示した領域は、左側側頭葉の上側頭回と中側頭回および左小脳の後葉であった。また、咀嚼能率と負の相関を示した領域は、左右の中心後回や左側の中心前回、右側帯状回、右側の上側頭回、右小脳の後葉と前葉であった。右小脳の後葉と前葉は、咀嚼能率が低下するレジンキャップ装着直後には、左側咀嚼筋群の運動学習のために活動が亢進し、30分の連続装着によって運動学習が達成されると咀嚼能率の向上に伴って活動が低下したと考えられる。
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