2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390511
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高田 雄京 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10206766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
菊地 聖史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50250791)
高橋 正敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50400255)
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Keywords | 静磁場 / 磁石構造体 / 骨組織 / 動物実験 / 骨誘導 |
Research Abstract |
申請者らは、静磁場の付与を磁石構造体とし、ラットより骨代謝の遅い繁殖期を過ぎた日本家ウサギを用いた動物実験を行った。着磁及び無着磁の磁石構造体を日本家ウサギの両脛骨にそれぞれ2個ずつ埋入し、1〜12週(1W、2W、4W、8W、12W)後に屠殺して組織切片を作製し、光学顕微鏡を用いて組織観察を行った。標本数は各週3羽とし、各週につき6個の組織切片を作製した。 いずれも1週目から軟骨性内骨化がみられ、骨欠損部である磁石構造体吸着面の周囲から骨様組織が全域を覆うように形成される様子が表れた。両者を比較すると、着磁した方が骨様組織が多く現れる傾向であった。2週目以降になると、軟骨基質を多く含み多孔質で幼弱な骨様組織が磁石構造体底面全域をある程度の距離を取りながら湾曲に囲むように覆い、あたかも欠損部を骨髄から隔離するように骨成長が進行した。着磁した方が明らかに骨様組織の量が多く、静磁場の付与によって骨形成が加速されている様子を呈した。4週目に入ると、一変して多孔質で幼弱な骨様組織は減少し、石灰化の進んだ皮質骨と同様の骨が磁石構造体の吸着面全域を覆うように変化した。無着磁では、まだ多くの骨様組織が残留している様子がわかる。8週目を過ぎると、いずれも吸着面全域が皮質骨と同等の骨で覆われ、骨形成に大きな相違が見られなくなった。12週目以降では、両者の骨組織に相違は見られなかった。 これより、静磁場による刺激は、骨形成初期(1週〜4週)の形成速度向上に寄与する可能性が高いと考えられるが、1週〜4週の標本において磁石構造体の固定不備により、標本数が所定の数よりも少ないものがあるため、追加実験を行い所定標本数を得てその事実を確認できた。
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