2008 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒超親水性効果はオッセオインテグレーションを亢進する
Project/Area Number |
18390520
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
澤瀬 隆 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80253681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 恭明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80253673)
池田 通 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
鎌田 幸治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60264256)
吉田 圭一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70230729)
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Keywords | 光触媒活性 / 生体親和性 / 親水性 / オッセオインテグレーション / 細胞親和性 |
Research Abstract |
平成18,19年度までにチタン表面に酸素イオン注入および熱処理を施してアナターゼ型TiO_2の酸化膜を付与することで,親水性が著しく向上し,細胞接着・伸展・増殖促進をもたらし,さらに骨内埋入後のオッセオインテグレーションが有意に亢進する、ことが確認された.平成20年度においては,動物実験結果の総合的な解析とともに,一連の実験結果の詳細なメカニズム解明の一助とするために,親水性試料への血清タンパク吸着試験を行った. 家兎両側脛骨近位端へのインプラント埋入実験においては,埋入2週後の骨接触率(BIC)を飛躍的に向上させ,さらに埋入6週間後においても親水性インプラントと未処理コントロールインプラント間に有意差を認めた.このことから親水性インプラントでは,初期のインプラント表面での有意な骨形成がその後の骨形成カスケードを促進させることが示唆された. またこれまでに得られた,親水性インプラントにおける有用な生体反応が血清接着タンパクの吸着促進によるものではないかという仮説から,親水性,コントロールのディスク両者にヒト血清を作用させ,吸着したファイブロネクチンの定量を行ったところ,親水性試料において有意に高い吸着量を示した. 本研究の総括:本研究の結果から光触媒超親水性効果は,インプラント埋入直後の血清接着タンパクの吸着を促進することで,細胞反応を亢進させ,ひいては早期のオッセオインテグレーション獲得を可能とすることが示唆された.今回得られた結果は,臨床において注目されている即時荷重や早期荷重等治療期間の短縮を図る治療法に対して非常に有用であると考えられる.
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Research Products
(4 results)