2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属イオンとモノマーによる免疫担当細胞の酸化ストレス,炎症反応とDNA損傷の評価
Project/Area Number |
18390522
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
平 雅之 Iwate Medical University, 歯学部, 准教授 (60179398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 吉馬 若手医科大学, 歯学部, 教授 (20005036)
根津 尚史 若手医科大学, 歯学部, 講師 (40264056)
佐々木 実 若手医科大学, 歯学部, 准教授 (40187133)
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Keywords | 活性酸素 / 好中球 / ニッケルイオン / 銅イオン / チタン微粒子 / マクロファージ / 炎症性サイトカイン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
1.昨年に引き続き、化学発光法による活性酸素(スーパーオキシドアニオンラジカル)の測定に関する研究を行った。ヒト細胞HL-60を6日間G-CSFとDMSOを配合した培地で培養し好中球様に分化させた。この細胞は200nMのPMA(フォルボールエステル)で刺激すると多量の活性酸素を産生することを確認した。PMA刺激時にニッケルイオンと銅イオンを少量添加(50μmol/L)すると活性酸素産生量の増加が生じ、少量の遷移金属イオンによって(自己)細胞傷害性の昂進が生じると考えられた。ヒトオプソニン化ザイモザンの添加は活性酸素産生増加の効果が小さかった。 2.ヒト単球様細胞THP-1を2日間PMA刺激しマクロファージに分化させてチタン・サブミクロン微粒子を貪食させ細胞の形態変化や生化学的性質に検討を加えた。LPS刺激の有無の影響も調べた。マクロファージはファゴソーム中にチタン粉を凝集捕集した。マクロファージの細胞生存率(DNA量)はチタン微粒子の貪食とLPS刺激の影響を受けず一定であった。マクロファージをLPS刺激すると炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1βとIL-6)の産生量が対照に比べ著しく増加した。チタン微粒子貪食によっても3つの炎症性サイトカインの産生量は著しく増加したため、チタン微粒子の貪食がマクロファージに活性化をもたらしたと判断された。LPS刺激とチタン微粒子の貪食が重なると炎症性サイトカインの産生量は-層増加した。活性酸素除去酵素SODの産生量もLPS刺激とチタン微粒子の貪食で増加する傾向が見られた。その増加量は小さいものの、活性酸素によるチタン微粒子の細胞内分解・細片化活動を反映すると考えられた。マクロファージ自身はチタン微粒子の貪食によってほとんど細胞障害を受けないものの、大量の炎症性サイトカインを分泌し組織障害を招くことが示唆された。
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[Journal Article] Effect of pH and addition of salt on the adsorption behavior of lysozyme on the gold,silica and titania surfaces observed by quartz crystal microbalance with dissipation monitoring2008
Author(s)
Nezu, T., Masuyama, T., Sasaki, K., Saitoh, S., Taira, M.and Araki, Y.
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Journal Title
Peer Reviewed
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