2006 Fiscal Year Annual Research Report
下顎の位置感覚と運動機能に基づいた咬合高径の臨床生理学的評価法の開発
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18390526
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
森本 俊文 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (20028731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (80242212)
加藤 一誠 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (00185836)
加藤 隆文 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教授 (50367520)
増田 裕次 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (20190366)
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Keywords | 咬合高径 / 咀嚼 / 咀嚼筋活動 / 口腔顔面運動 / 下顎位 |
Research Abstract |
平成18年度には以下の研究を進めた。 全身的に日常生活が可能な範囲で医学的問題のない有歯顎の男女を被験者において実験を行い無歯顎患者における研究プロトコールを完成させるデータを収集した。下顎位置感覚・口腔感覚の記録分析として、開口量に対する位置感覚と咀嚼筋活動との関係を解析したところ、開口位の増大に応じて顎二腹筋活動が増大するが、最大開口からある開口位を保つよりも閉口位から同じ開口位に下顎位を保ったときの方が活動量が有意に高かった。また、閉口筋群の活動も開口位に応じて変化したが下顎安静位に近い開口位5mm前後で活動が最低となることがわかった。さらに、実験室内で被験者に黙読を約30分間行なわせて、筋電図(咀嚼筋、前脛骨筋)、心電図、脳電図、胸部呼吸運動、喉頭運動、嚥下音、音声ビデオ、下顎運動を記録したところ、様々な運動が生じることがわかり、非ストレス下においても噛み締め習癖を自覚する被験者では咀嚼筋活動が高いことから、無歯顎患者においてもかみしめ癖や口腔顔面痛の有無について注意を払う必要がある。また、閉口筋活動量が高いことは咬合高径が同様でも開口位の変動が大きいことを示唆すると考えられる。また、モルモットの自由行動時の咀嚼筋活動を記録したところ咬筋活動が睡眠中に大幅に減少することがわかった。さらにモルモットの前歯部に咬合挙上板を装着し臼歯部の咬合挙上を行なう手法を応用し、上下臼歯に実験床を装着して、咬合を増大させた後に挙上板を除去する方法などを用い、咬合高径の経日的変化を実験的介入の前後に形態学的な変化を3次元X線CT撮影を行ないその像を解析した。咬合高径が高い装置除去直後と、装置除去後1週間後の咀嚼中で比較すると、最大開口位や咀嚼リズムには変化がなかったが、咀嚼中の開口量は装置除去直後の咬合高径が高い時期には有意に高い値を示した。
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Research Products
(5 results)