2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨置換性カーボネイトアパタイトによる顎骨再建と骨再生用スキャフォールドへの応用
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18390533
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 洋二 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 邦夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (90202952)
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 准教授 (20272049)
玉谷 哲也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30274236)
松家 茂樹 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00108755)
茂木 勝美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (20335805)
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Keywords | アパタイト / 骨再建 / 再生医療 / バイオマテリアル / 骨 / スキャフォールド / カーボネイトアパタイト / 骨置換 |
Research Abstract |
平成19年度に施行した主要な3つの実験結果を下記に示す。 1)カーボネイトアパタイトの連通気孔体の作成 連通気孔を有するカーボネイトアパタイト多孔体の作成を試みた。ウレタンの多孔体フォームを出発物質として、これをαリン酸三カルシウム溶液に浸漬させ、乾燥させた後に、600℃でウレタンを燃焼させてαリン酸三カルシウム・ファームを作成した。このフォームをNa2CO3中に浸漬することによって、溶解析出反応を利用して、カーボネイトアパタイトの連通気孔体を作成することに成功した。現在、作成したカーボネイトアパタイト連通気孔体の組成および機械的強度の測定中である。 2)動物の骨欠損内におけるカーボネイトアパタイトの挙動 平成18年度に行った実験をさらに長期的に行った。炭酸基含量が約15%、直径200〜400μmのカーボネイトアパタイト顆粒を、ラット頭頂骨に作成した直径8mmの骨欠損に充填して組織内挙動を検討した。HAP顆粒には変化がなかったが、カーボネイトアパタイト顆粒は経時的に小さくなった。移植後8週間では35%まで小さくなっていたが(平成18年度データ)、12週では29.8%、24週では22.3%とさらに吸収が進むことが明らかになった。顆粒周囲には同心円状の新生骨の形成がみられ、カーボネイトアパタイトが骨と置換することが明らかとなった。 3)カーボネイトアパタイトの吸収機序の解明 カーボネイトアパタイトの吸収機序の解明のため、同上の顆粒とHAP顆粒、β-TCP顆粒をラットの皮下に移植して実験を行った。HAP顆粒は吸収されなかったが、カーボネイトアパタイト顆粒とβ-TCP顆粒は吸収された。さらに、diffusion chamber内での吸収実験を行った結果、カーボネイトアパタイト顆粒は吸収されなかったが、β-TCP顆粒は吸収された。これによって、β-TCPは物理化学的溶解によって吸収されるが、カーボネイトアパタイは細胞を介して生理的に吸収されることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)