2006 Fiscal Year Annual Research Report
学習・記憶増強酵素スルフォトランスフェラーゼの発現調節と麻酔薬による修飾機序
Project/Area Number |
18390539
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
糀谷 淳 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (60304325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 元彦 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60379790)
宮脇 卓也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00219825)
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Keywords | スルフォトランスフェラーゼ / ニューロステロイド / 学習・記憶 / NMDA受容体 / 麻酔薬 / 全身麻酔 / 一酸化窒素 / グリア細胞 |
Research Abstract |
ニューロステロイドは主に中枢神経細胞の支持組織であるグリア細胞から産生され、神経伝達物質の作用を興奮性または抑制性に調節する物質である.Pregnenolone sulfate (PREG-S)は、海馬においてNMDA受容体の活性化を介して記憶パフォーマンスを向上し、学習障害を改善するニューロステロイドである,PREG-Sは、pregnenoloneを基質としてステロイド代謝酵素スルフォトランスフェラーゼ(SULT)によって生合成される.本研究は、学習・記憶パフォーマンスを向上するニューロステロイドPREG-Sへの転換を触媒する酵素SULTの調節機構の解明およびこれに対する静脈麻酔薬の作用を調べることを目的とした. ラット脳由来RNAおよびC6グリア細胞株から抽出したRNAを用いて、cDNAを合成した.それぞれのcDNAを鋳型として、SULT2A1,2B1a,2B1bの各アイソフォームに特異的なプライマーを用いてPCRを行った.SULT2B1aはラット脳およびC6に、SULT2B1bはラット脳のみに発現した.SULT2A1はラット脳にもC6にも発現しなかった.このことから、C6においてPREG-Sの産生を触媒するアイソフォームはSULT2Blaであることが明らかになった. SULT2B1aとβ-actinを標的遺伝子として、遺伝子解析ソフトウェアによって設計したプライマー対を20組程度作成した.C6のcDNAを鋳型としてリアルタイムPCRを行い、適切な解離曲線が描けるプライマー対1組を決定した. ラット脳のcDNAを鋳型としてSULT2B1aに特異的なプライマーを用いてPCRを行った.TOPOベクターに組み込んだPCR生成物を大腸菌中にトランスフォームし、これを増殖・抽出してリアルタイムPCR用スタンダードプラスミドを作成した.
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