2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390546
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
桐田 忠昭 Nara Medical University, 医学部, 教授 (70201465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭久 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60275336)
|
Keywords | p53 / アポトーシス / 重粒子線 / X線 / Caspase / LET |
Research Abstract |
昨年度は、変異型p53遺伝子を有するヒト歯肉扁平上皮癌細胞における重粒子線とX線の殺細胞効果およびアポトーシス誘導を調査し、重粒子線はたとえ変異型p53遺伝子を有するがん細胞においてもX線と比較して少ない線量で効率的にアポトーシスを誘導し、感受性が高くなるを明らかにした。 本年度は、そのメカニズムを明らかにすることを目的とし、重粒子線によるアポトーシス経路を検索した。 細胞はヒト歯肉扁平上皮がん細胞Ca9-22を用いた。重粒子線照射は放射線医学総合研究所のHIMACを用い、高LET重粒子線(200KeV/μm・鉄線、13〜100KeV/μm・炭素線)および対照としてX線を照射した。Caspaseの活性はCaspase inhibitorを用い観察した。 結果は、Caspase8 inhibitorを用いた際はX線と重粒子で抑制される割合に差がなかったのに対して、Caspase9 inhibitorとCaspase3 inhibitorを用いた際はアポトーシスが優位に抑制された。つまり、重粒子新によるアポトーシスはCaspase依存の経路をを通っており、重粒子線によるアポトーシスはCaspase8ではなくCaspase9が活性化され、それによりCaspase3の活性を上げることによりアポトーシスにいたることが明らかとなった。つまりミトコンドリア経路を通っている可能性が示唆された。また、Caspaseの活性は重粒子線のLETに依存していた。
|
Research Products
(4 results)