2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390548
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山岡 稔 Matsumoto Dental University, 歯学部, 教授 (50064671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (40203476)
高橋 昌宏 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90340059)
堂東 亮輔 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (40329470)
内橋 隆行 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (70397628)
楢本 浩子 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (30410426)
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Keywords | 歯 / 歯周組織 / 再生 |
Research Abstract |
ポリリン酸による歯・歯周組織再生促進メカニズムを明らかにすることを目的とし、ポリリン酸の骨芽細胞,破骨細胞、歯髄細胞、歯根膜細胞への作用の検討と発現型DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の解析を行った。ヒトおよびBalb/cマウスより採取した組織より各細胞を組織培養したところ、組織周囲から細胞のoutgrowthがみられ、これらの細胞を分化誘導培地でさらに培養した。分割ポリリン酸を0〜2mMで添加し、細胞増殖(MTSおよびMTT assay)を検討したところ、1mMポリリン酸が最も細胞増殖率が高かった。成熟細胞への分化では、骨芽細胞は,0.1mMデキサメタゾン,0.05mMアスコルビン酸,10mMβ-グリセロフォスフェイトを含むMSC培地を用いて培養したところ、骨芽細胞は、osteocalcin(OC)、alkaline phosphatase(ALP)、Type I collagen, receptor activator of NF-κB(RANKL)の発現が亢進した。また、アリザリンレッド染色を施行したところ、石灰化物が同定された。破骨細胞を骨髄細胞と頭蓋骨骨芽細胞の共存培養系で誘導し活性型vitamin D3、Prostaglandin E2などの骨吸収因子を添加して培養し、さらにポリリン酸を添加して培養したところ、象牙質片上の吸収窩形成実験(pit formation)が減少した。歯髄細胞においても0.1mMデキサメタゾン、0.05mMアスコルビン酸、10mMβ-グリセロフォスフェイトを添加してDMEM培地を用いて培養すると石灰化物の形成がみられた。歯根膜細胞ではType I collagenのmRNAの発現が亢進した。ポリリン酸の存在によるこれら遺伝子の挙動をDNAマイクロアレイを用いて検討したところ、細胞増殖シグナルの変動が明らかとなった。これらの結果は、ポリリン酸が細胞増殖と分化に影響を与えることを示しており、新たな歯周組織再生促進薬としての可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)