2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rett症候群モデルによる中枢および顎口腔機能異常の発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
18390551
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
白川 哲夫 Nihon University, 歯学部, 教授 (00187527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三留 雅人 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50261318)
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142713)
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Keywords | Rett症候群 / 発達障害 / MeCP2 / 自発行動 / 呼吸障害 / サーカディアンリズム / 脳 / ニューロン |
Research Abstract |
Rett症候群の発症にはMeCP2の変異が直接関与していることから、本年度は免疫組織学的手法により、マウスの脳内でのMeCP2の局在と発現レベルを調べた。MeCP2の欠損マウスMeCP2(-/y)は、ジャクソンラボよりヘテロ欠損雌性マウスMeCP2(+/-)を購入し、野生型雄性マウスと交配することにより得た。2〜3か月齢のMeCP2(-/y)マウス、MeCP2(+/-)マウス、ならびに野生型雄性マウスについて、環流固定後30μmの厚みで連続切片を作製し、ウサギ抗MeCP2抗体(Affinty BioReagent社、およびEpigentek社)を一次抗体に用い、DAB法にてMeCP2の局在を調べた。MeCP2(+/-)マウスならびに野生型マウスにおいて、MeCP2は主としてニューロンに特異的に発現し、細胞核に強いシグナルが認められた。MeCP2陽性細胞は前頭皮質に多数認められ、視床、視床下部、橋、延髄にも陽性細胞が広く分布していたが、視床下部では前頭皮質に比較して陽性細胞の数は少なかった。一方、MeCP2(-/y)マウスについては、MeCP2陽性細胞は全く認められなかった。また、前者ではサーカディアンリズムの中枢である視交叉上核においても、多数のニューロンでMeCP2の発現が確認された。 ハイビジョンCCDカメラを用いて、呼吸障害が顕在化してきたMeCP2(-/y)マウスの行動観察を行うとともに、行動量を受動型赤外線センサーにて1か月以上連続測定し、野生型マウスと比較した。その結果MeCP2(-/y)マウスでは、野生型マウスと比較して、呼吸障害が明確ではない離乳期において、すでに行動量の低下が認められることが明らかになった。また、行動量を調べたMeCP2(-/y)マウスの半数以上で、明暗環境への適応に異常が認められた。
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