2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯根吸収へのセメント質形成による再生医学的アプローチ
Project/Area Number |
18390552
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
須田 直人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (90302885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 朗 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00142430)
村上 伸也 大阪大学, 歯学総合研究科, 教授 (70239490)
山田 聡 大阪大学, 歯学総合研究科, 講師 (40359849)
清野 透 国立がんセンター, ウイルス部, 部長 (10186356)
斉藤 正寛 大阪大学, 歯学総合研究科, 講師 (40215562)
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Keywords | 歯根吸収 / 再生医学 / 成長因子 / 破歯細胞 / セメント芽細胞 |
Research Abstract |
再生医療の流れの中で歯根セメント質の再生はホットな話題であり、ウシ歯小嚢細胞をヒドロキシアパタイトと共に免疫不全(SCID)マウス皮下に移植し、異所性にセメント質形成を誘導されたと報告されている。本課題は、矯正治療の合併症としてしばしばみられる歯根吸収の抑制やセメント質再生による歯根再生をめざした基礎的研究である。そこで本課題では、従来より行ってきた歯の再植によるラットの歯根吸収モデルに、種々の成長因子を添加し、そのセメント質再生への影響を検討してきた。具体的には、エムドゲイン中の生理活性物質として注目されている種々の因子の精製体やそのレコンビナント体を検討してきた。また、再植歯の歯根表面に移植を計画しているヒトセメント芽細胞の単離とphenotypeの解析してきた。 平成18年度、本課題から得られた研究成果は以下の点である。(1)エムドゲインやその中に含まれる生理活性物質には、破骨細胞の歯槽骨への出現は促進するのに対して、歯根表面の破歯細胞の動員は顕著に抑制することが明らかとなった。(2)ヒトセメント芽細胞株のいくつかが、効率良くin vitroで石灰化した。(3)骨組織の形成や吸収に異常を持つ種々の遺伝性疾患より歯根膜細胞を単離し、レトロウイルスを用いた細胞の不死化を行った。このようにして得られた遺伝子変異を有す細胞は、組織再生や疾患の分子細胞学的なメカニズムを解明する上で、大変有用な細胞と考えている。
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Research Products
(6 results)