2008 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔機能障害を伴う遺伝子改変マウスを用いた摂食・嚥下機能発達のメカニズムの解明
Project/Area Number |
18390555
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 教明 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40230750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 義之 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50175329)
ゼレド ジョージ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10363459)
北浦 英樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60295087)
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Keywords | 摂食・嚥下機能 / 顎運動 / 筋電図 / 咀嚼機能 / 臨界期 / 軟食化 / 顎口腔機能 |
Research Abstract |
食事の軟食化が摂食・嚥下機能獲得あるいはセントラル・パターン・ジェネレータのリズムおよびパターン形成に及ぼす影響を解明するため、C3Hマウスを用い、固形飼料飼育群と液状飼料飼育群に分けて飼育し、咀嚼機能の獲得について、健常マウスと比較した。 その結果、液状飼料飼育群では、固形飼料飼育群と比較して、成熟した摂食・嚥下機能が獲得できていないと考えられた。咀嚼経路の変動係数が有意に大きく、安定した顎運動が行えていなかった。 また、本来の離乳期以降、3-8週齢まで液状飼料を与えると、摂食・嚥下機能の発達が停止あるいは減速する時期が観察され、臨界期の存在が示唆された。 さらに、液状飼料飼育終了後に固形飼料に切り替えた場合の、摂食・嚥下機能の回復を観察した結果、ある程度の機能レベルまでは回復することが確認された。しかしながら、正常な発達までの回復はみられなかった。 したがって、吸畷運動から咀嚼運動への移行後は、様々な性状の食物摂取による口腔感覚受容器への刺激は、中枢の神経回路網にフィードバックされ、このことにより、神経回路の組み換えが盛んに行われ、一連の学習過程を経て、リズミカルな摂食・嚥下運動が脳幹部にプログラミングされると考えられた。
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