2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生を制御する転写因子と骨シアロタンパク質の発現調節機構
Project/Area Number |
18390563
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 寿美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20102577)
増永 浩 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40229381)
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Keywords | 骨シアロタンパク質 / 石灰化 / 骨芽細胞 / アンドロゲン / アンドロゲン受容体 / 転写因子 / 転写調節 / 歯周組織再生 |
Research Abstract |
骨シアロタンパク質(BSP)は,石灰化初期に石灰化組織特異的に発現する非コラーゲン性タンパク質である。アンドロゲン受容体(AR)は,男性生殖器の分化や前立腺での細胞増殖に関与し,転写因子として作用する。本研究では骨芽細胞様細胞であるROS1712.8細胞を用いてアンドロゲンおよびARのBSPの転写に対する影響を検索した。 AR発現ベクターをROS17/2.8細胞に導入すると,ARタンパク質は核内および細胞質内で増加し,BSPmRNA量が増加した。一方,ARの過剰発現前後にROS17/2.8細胞を10^8Mの5α-dihydrotestosterone(DHT)で24時間刺激しても,BSPmRNA量は変化しなかった。-116塩基対上流までのBSPプロモーターを含むルシフェラーゼコンストラクトの転写活性は,AR過剰発現により上昇したが,DHTの影響を受けなかった。ミューテーションプラスミドを用いたルシフェラーゼアッセイの結果,ARの作用は,(AMP応答配列(CRE)およびAP 1と重複したグルココルチコイド応答配列(AP IIGRE)の両者を介すると考えられた。ゲルシフトアッセイの結果,ARの過剰発現でCREおよびAP 1/GREへの核内タンパク質の結合量が増加した。CRE結合タンパク質は,抗リン酸化CREB抗体でスーパーシフトし,抗CREBおよびAR抗体で結合量が減少した。一方,AP1/GRE結合タンパク質は,抗c・Fos抗体でスーパーシフトし,抗c-JumおよびAR抗体で結合量が減少した。以上の結果から,ARはCREおよびAP 1/GRE配列を介してBSPの転写を調節し,CRE配列にはCREB, c-Fos, c-JunおよびARの複合体が,AP 1/GRE配列には,c-Fos, c-JunおよびARの複合体が結合すると考えられた。
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Research Products
(2 results)