2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会において老年歯科医学が担う社会的重要性を脳科学的に実証する
Project/Area Number |
18390566
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤田 雅文 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50021449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教授 (40252134)
加藤 則廣 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (40224521)
藤原 周 朝日大学, 歯学部, 教授 (50229069)
久保 金弥 朝日大学, 歯学部, 講師 (00329492)
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Keywords | 高齢者 / 高次脳機能 / 短期記憶 / 脳年齢 / 咬合咀嚼機能 / fMRI |
Research Abstract |
本研究計画の目標は、高齢者の咬合咀嚼機能を改善すると高次脳機能が向上する可能性があるとの脳科学的証拠を得ることにある。研究を具体化したところ、目標を達成するために克服するべき二つのテーマが明らかとなった。(1)咬合咀嚼機能の改善により記憶力検査値(一般的な認知症検査法では目的に叶わないゆえ、高次脳機能の精度の高い計測を意図して独自に開発)の上昇を示す。(2)咬合咀嚼機能の改善によりこの検査値が上昇することは高次脳機能ネットワークの活動上昇を意味すると主張するために、検査値に有意の差がある被験者を選んでMRI装置内で記憶力検査を実施して、その折りの脳の活動をfunctional MRI法で解析する。これにより、この検査値と高次脳活動に正の相関があることを証明する。18年度はまず(1)の記憶力検査の統計学的保証を得るためのフィールドワークに力点を置いた。この検査法の必要条件は高齢者の高次脳機能の活動レベルを精度高く評価できる、つまり脳年齢を算出できることであるので、合計1000人以上のボランテアの協力を得て、何歳ならば何点とれれば年齢相応かという評価グラフの作製を行なった。(2)のfunctional MRI法については、高レベルの画像が得られる3Tesla MRI機が18年度末にようやく岐阜大学に納入された。その新MRI装置内で脳の画像を撮りつつ、本研究計画の視聴覚複合記憶課題を良好な環境で行うためには、極めて慎重な視聴覚刺激装置の設計が必要であった。1年がかりで、予備実験と試行錯誤を繰り返し、本研究計画を適切に実行できる視聴覚複合刺激装置を年度末に導入できた。 19年度には(2)の計画に叶った高次脳活動の具体的なデータが得られ、18年度の(1)の結果と合わせて、本研究計画の目標が達成されると期待できる。
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