2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞への歯周病細菌の付着、侵入およびシグナル伝達に関する分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
18390567
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 英樹 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50260641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雫石 聰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00028789)
片岡 宏介 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50283792)
久保庭 雅恵 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00303983)
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Keywords | 歯周病細菌 / ヒト歯肉線維芽細胞 / GAPDH / 線毛 / 付着 / 侵入 |
Research Abstract |
歯周病細菌Porphyromonas gingivalisが口腔内に定着する際に、本菌の有する線毛と初期デンタルバイオフィルム形成菌の菌体表層やヒト細胞表層に存在するglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)との相互作用が重要な役割を果たしている。本課題の昨年度の研究成果として、ヒト細胞GAPDHのP.gingivalis線毛結合領域はアミノ酸残基165-185の領域に存在することを明らかにした。本年度の研究では、ヒト細胞GAPDHのアミノ酸残基165-185に相当する合成ペプチドを作製し、P.gingivalisのヒト線維芽細胞への付着、侵入に及ぼす影響について共焦点顕微鏡を用いて検討した。色素ラベルしたP.gingivalisをヒト線維芽細胞に感染させる際に合成ペプチドを添加すると、細胞内に付着、侵入するP.gingivalisの数は濃度依存的に減少した。コントロールとして用いた一部のアミノ酸をAlaに置換した合成ペプチドでは、P.gingivalisのヒト細胞内への侵入は影響を受けなかった。さらに、S.oralis GAPDHのP.gingivalis線毛結合領域を同定した結果、ヒト細胞GAPDHと同じ領域に結合部位が存在することがわかった。そこで、この領域の合成ペプチドがP.gingivalisとS.oralisとのバイオフィルム形成に及ぼす影響を調べた結果、両菌間のバイオフィルム形成も濃度依存的に抑制することが示された。 以上の結果より、ヒト細胞やS.oralis GAPDHのP.gingivalis線毛結合領域に相当する合成ペプチドは、P.gingivalisのバイオフィルム形成やヒト細胞への付着、侵入を阻害し、歯周病予防素材として応用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)