2006 Fiscal Year Annual Research Report
デザインペプチドライブラリー構築による細菌付着阻止分子探索と感染性心内膜炎予防
Project/Area Number |
18390569
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 博夫 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40213079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 かなめ 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (30243710)
横山 正明 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10314882)
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Keywords | 口腔細菌 / レンサ球菌 / ペプチドライブラリー / フィブロネクチン / 感染性心内膜炎 / スクリーニング / バイオアッセイ / オンビーズライブラリー |
Research Abstract |
口腔に常在するビリダンス連鎖球菌は、細菌性心内膜炎の起因菌としても重要視されている。本研究では口腔レンサ球菌とフィブロネクチンとの結合をモデル系として、病原微生物の特定物質への特異的付着を阻害することを作用機序とする感染症の発症の抑制を目的とした受動ワクチン的な低分子化合物を同定するための方法論的基礎の確立を目的としている。ペプチドライブラリー構築の基本概念のひとつである混合分配法に則り、One Peptide on One Bead(OPOB)ライブラリーの構築に着手した。この方法論において、単純にペプチド鎖を長くすると配列組合せ数が増大し、その結果アッセイが物理的に不可能となる。そこで対象物質についての構造情報と文献的情報を活用することなどによって、ビルディングブロックの絞込みを行うとともに、配列の特定ポジションを既知アミノ酸で固定することによって、ライブラリーの構築に必要なビーズの数量の絞込みを図った。部分的にライブラリーを試作して、結合アッセイに供しての試行的アッセイを繰り返し、ライブラリーの設計の至適化を目指した。その結果、総合的なスクリーニングアッセイに使用すべき1次OPOBライブラリーの設計の完成が達成できた。ライブラリーの構築・化学合成と平行して、スクリーニング・バイオアッセイの高感度化、ハイスループット化に取り組んだ。すなわち、少量の試薬でも確実なヒットの判定が可能となることを目指して、ライブラリーペプチド側もしくは結合物質側の各種蛍光試薬による直接標識あるいはビオチン標識などを試行し、アッセイの高感度化、バックグラウンドの低減、判定の高速化(省ステップ化)を行った。以上の結果、初年度の目標であった、ライブラリーデザイン最適化と、スクリーニングバイオアッセイの至適条件の設定が概ね達成できた。
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