2006 Fiscal Year Annual Research Report
三宅島噴火災害被災家族におけるメンタルヘルスと子どもの成長発達
Project/Area Number |
18390575
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
及川 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (90289934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 美幸 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40299847)
片岡 優華 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (70404928)
久保 恭子 共立女子短期大学, 看護学部, 講師 (10320798)
小原 真理子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (00299950)
酒井 明子 福井大学, 医学部, 助教授 (30303366)
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Keywords | 噴火災害 / 災害看護 / メンタルヘルス / 家族関係 |
Research Abstract |
三宅島では、2005年2月の避難指示解除に伴い、約75%の島民が帰島した。2000年に噴火した三宅島雄山は、ガスの量にばらつきがあるものの、現在も火山ガスを排出している。また以前の居住地区が火山ガス高濃度地区の島民は自分の家には帰れないという状況が続いている。 本研究では、1.被災が家族にとってどのような体験となっているか、家族に及ぼした影響は何かについて明らかにする 2.子どもの成長発達が被災によって影響をうけているのかについて明らかにする 3.被災体験が家族の精神健康状態やQOL・健康状態にどのように影響しているのかを明らかにするの3点を目的としている。研究目的1については、被災家族を対象に面接調査を行った。協力が得られたのは、現在帰島している親7人で、いずれも被災当時18歳未満の子どもを持つ父親または母親である。面接調査の結果、被災の状況は居住地区によって異なり、子どもの年齢や噴火当初の避難場所・当時の経済背景などによって受け止め方が違っていた。それぞれの家族独自のスタイルで家族間のコミュニケーションを積極的にとり、家族の絆を強固にしていた姿が伺えた。また、現在の子どもの状況等についての不安は皆無ではなく、当時の被災体験にまつわる自責の念を抱えている親もいた。今後被災体験との関連について分析していく必要がある。研究目的2については、噴火前の三宅島での子ども達の身体計測データ、避難時のデータなどの比較する対象を得ることが困難であるため、現時点では取り組んでいない。研究目的3については、来年度質問視調査行えるように質問紙を作成している状況である。 来年度は、研究と同時に、被災地支援の位置づけで親の健康教育や育児サークル、生徒児童を対象とした健康教育の展開も合わせて行っていく予定である。
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