2008 Fiscal Year Annual Research Report
エキスパートナースの看護の実際に基づく専門分野のスタンダード看護診断と看護介入
Project/Area Number |
18390584
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
小笠原 知枝 Hiroshima International University, 看護学部, 教授 (90152363)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
岡崎 寿美子 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (30185417)
渡邉 順子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00175134)
本田 育美 京都大学, 医学部, 准教授 (30273204)
|
Keywords | 看護診断 / 看護介入 / エキスパートナース / 末期ケア / 緩和ケア / 専門領域 / NANDA |
Research Abstract |
本研究は、エキスパートナースによる専門的なケアの実際に基づいたデータを分析することにより、特定の看護専門領域のスタンダード看護診断と看護介入を明らかにすることを目的としている。 今年度は、終末期がん看護と専門分野における看護診断と看護介入について調査研究や事例研究を実施し、得られた成果(下記の1から3)について、NANDAインターナショナルやシグマ・シータ・タウ国際学会で発表した(Ogasawar,2008;Hasegawa,2008)。また、呼吸器・循環器・脳血管・内分泌領域において、また難病疾患患者に高頻度に使用される看護診断を特定しそれらに対する看護介入について検討し、報告書を作成している。 1.末期がん患者のケアをしている看護師に対する調査研究で、患者の苦痛となっている診断名は慢性疼痛、活動耐性低下、急性疼痛、不安、皮膚統合性障害、疲労感であり、呼吸不全や出血、悪疫室、貧血、イレウスなどの身体的苦痛との関連性が示唆された。またNICのダイイングケアとの関連性が示唆された看護診断は死の恐怖、意思決定葛藤、不安、誤嚥リスク、介護者役割緊張などの看護診断であった。 2.ホスピス入院患者27名の内、心理社会・霊的苦痛のみられた4事例の看護記録を分析した結果、1)心理社会的・スピリチュアル看護診断よりも身体的看護診断を優先する傾向と、2)心理社会・霊的側面の看護診断名として、ボディイメージ混乱、霊的苦痛、抑うつが診断されていたこと、3)介入上の課題を残した看護診断は霊的苦痛と家族介護者役割緊張と全身状態悪化(開発看護診断)などであった。 3.ホスピス・緩和ケア病棟における看護診断に関する全国実態調査において、NANDAラベル使用は62%で、高頻度使用の看護診断は転倒リスク状態、慢性疼痛、皮膚統合性障害、不安、悲嘆、活動耐性低下、急性疼痛、便秘、悪心、身体損傷リスク状態であった。
|
Research Products
(5 results)