2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん体験者との協働による一般女性と看護職のための乳がん予防啓発プログラム開発
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18390595
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
鈴木 久美 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60226503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 直子 東邦大学, 医学部看護学科, 助教授 (30327978)
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
片岡 弥恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70297068)
市川 和可子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (70322344)
中村 清吾 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70439511)
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Keywords | 乳がん予防 / 啓発教育 / 乳がん検診 / CBPR / 乳がん体験者 |
Research Abstract |
〔目的〕乳がん検診率の向上をめざして、一般女性のための乳がん予防啓発教育プログラムと、看護専門職への乳房自己検診指導プログラムをCommunity-Based Participatory Researchの手法を用いて開発し、それぞれのプログラムを乳がん体験者との協働のもとに実施してそのプロセスを記述するとともにプログラムの効果を検討することである。今年度の目標は、(1)乳がん予防啓発教育に関する文献調査および(2)一般女性や乳がん体験者を対象に検診・自己検診に関するヒアリング調査と看護職を対象に自己検診指導に関するヒアリング調査を行うこととした。〔方法〕乳がん予防啓発教育に関する文献調査に関しては、「breast cancer」と「breast self examination」を主なキーワードとして、Pub MedとCHNAHLで検索した結果、1513件の文献が抽出された。 抽出された全文献のabstractを研究メンバーで精読し、(2)自己検診の方法、(2)一般市民向けの教育プログラム、(3)医療者対象の教育プログラム、(4)一般市民や医療者の乳がん検診に対する意識(5)検診システム、(6)検診率や検診実態などの内容に当てはまる論文を全て選択した。〔結果〕文献数は、1970年代では30件と非常に少なく、1980年代では278件に増え、1990年代では430件と急増していた。なかでも一般市民向けの乳がん啓発教育プログラムが最も多く、次いで一般市民の検診に対する意識調査が多かった。市民向けの教育プログラムに関しては、1980年代、1990年代は対象を限定したものではなく一般女性を対象とした教育プログラムが多かったが、2000年代になり教育プログラムの内容がより特化したものへと変化していた。例えば、乳がんハイリスク群の市民が多い地域住民を対象にしたプログラムや、乳がん遺伝子陽性かっ乳がんの母親をもった子供を対象にしたもの、高校生や大学生を対象にしたものなどよりプログラムの対象を限定した内容へと精錬されていた。今後は、一般市民向けおよび医療者向けの教育プログラムのシステマティックレビューを行い、啓発教育プログラム開発のための基礎資料とする予定である。また、一般女性や乳がん体験者対象の検診・自己検診に関する調査と看護職対象の自己検診指導に関する調査に関しては、調査協力してもらえる研究フィールドを1年間にわたり開拓し、現在は自己検診や自己検診指導に関するヒアリングの調査項目を作成している。今後はヒアリング調査を行い、分析データから啓発教育プログラムの構成要素を抽出する予定である。
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