2006 Fiscal Year Annual Research Report
子供の健康づくりにおける多文化共生社会の構築に向けたアクションリサーチ
Project/Area Number |
18390597
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 由美 群馬大学, 医学部, 教授 (80235415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 恵 群馬大学, 教育学部, 助教授 (50282405)
中山 かおり 群馬大学, 医学部, 助手 (90369372)
山田 淳子 群馬大学, 医学部, 助手 (60431714)
齋藤 泰子 武蔵野大学, 看誰学部, 教授 (50248861)
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Keywords | 在日外国人 / 多文化共生 / 小児保健 / 学校保健 / 健康づくり |
Research Abstract |
本研究は、群馬県内の南米系外国人集住地域において、外国籍住民と日本人住民、及び関係者が研究参加者となり、研究者と協働で『子供の健康づくり』の観点で地域の問題を共有し、有効な活動方法を見出していく参加型アクションリサーチである。平成18年度は、研究の準備段階と位置づけ、下記について実施した。 (1)研究対象に関する現地調査:研究対象である外国人の生活・文化・制度を詳細に理解するために、2月20日から3月4日の日程でブラジルを訪問した。訪問先は、小児保健医療機関として、サンパウロ州ボツカツ医科大学附属病院小児科、ボツカツ市保健センター、ボツカツ市学校保健センター、教育機関として私立サンタ・マルセリーナ学園、サンパウロ州立ペドロ・トーヘス中学・高校等であり、サンパウロ日伯援護協会が実施する日系人コミュニティへの巡回診療にも参加した。また、日本滞在経験のある日系人3家族に面接した。これらにより、ブラジルの医療・健康管理の体制と方法、学校教育における健康管理の位置づけ等が具体的に把握でき、ブラジル人の子供と保護者の生活習慣や健康に関する価値観の実情を理解することができた。また、人種、宗教、文化的背景、収入等によりブラジルの中でも人々の生活や価値観が多様であることが実感でき、今後、外国人集住地域において実際にコミュニティミーティングを実施する上での重要な示唆が得られた。 (2)パイロットスタディの実施:対象地域である群馬県大泉町・伊勢崎市・太田市の在日外国人学校の児童生徒を対象に、2月に健康診断、3月に健康相談会を実施した。326名の児童生徒の健康診断受診と、43組の児童生徒その保護者の健康相談来所があった。健康診断結果と健康相談内容から肥満や視力低下など生活習慣に起因する健康問題や受療に関する問題等、『子供の健康づくり』における地域の課題が具体的に見出された。
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