2007 Fiscal Year Annual Research Report
経管栄養を受けている認知症高齢者の口から食べる力の見極めとケアスキルの開発
Project/Area Number |
18390606
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
山田 律子 Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 准教授 (70285542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野 悦子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (10292070)
内ケ島 新也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (80364264)
井出 訓 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (10305922)
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 経管栄養 / 経口摂取 / ケアスキル / ガイドライン / 看護学 |
Research Abstract |
平成19年度の主な研究目的は、認知症高齢者が口から食べる力を見極めるための判断基準と経口摂取再開へと導くためのケアスキルを検討し、ガイドラインを作成することである。 方法は、摂食・嚥下障害のある認知症高齢者のケアに携わる看護師エキスパートによるブレインストーミング、文献検討、看護師スキルアップ教育での意見、平成18年度研究成果に基づくガイドラインの内容についての記述分析である。 結果、認知症高齢者の「口から食べる力を見極める判断基準」は2段階で構成された。第1段階は、看護職が日々の観察をもとに認知症高齢者の「口から食べるカ」の糸口を見出す段階で、そのための観察項目として「本人の食べたいという意欲(家族の思い)」「言葉を発する」「唾液が飲める」「表情がしっかりしてきた」「全身状態の安定(栄養状態の改善・維持)」「活動耐性の向上(坐位保持が可能となる)」が挙げられた。現行の摂食・嚥下機能評価は、認知障害がある者に実施できないものも多い。今回、臨床の知をもとに抽出された観察項目は、重度認知症の高齢者でも評価可能である。さらに主体である本人の意欲を大前提に、食べるために必要な口腔運動や嚥下機能、体力の評価に対応していることからも妥当と判断した。第2段階は、第1段階で選定された対象者に、「意識状態」「認知機能」「全身状態」「口腔機能」「嚥下機能」の5軸10項目からなる客観的評価を行い、医師はじめ他職種との連携のもとに経口摂取再開を判断する内容となった。「経口摂取再開へと導くケアスキル」では、摂食・嚥下過程に沿ったアセスメント項目と具体的ケア方法を検討し、ガイドラインの第1案を作成した。 次年度は、これらの研究成果を看護実践に適用し、ガイドラインの妥当性と有用性について検討するとともに、今年度撮影したビデオ教材を資料として、ガイドラインに準じた教育教材DVDの作成も目指す予定である。
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