2006 Fiscal Year Annual Research Report
彩色水浸文物の保存科学的研究-中国江蘇省泗水王陵出土文物の保存-
Project/Area Number |
18401001
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
今津 節生 独立行政法人国立博物館九州国立博物館, 博物館科学課, 環境保全室長 (50250379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 嘉六 独立行政法人国立博物館九州国立博物館, 館長 (00222422)
鳥越 俊行 独立行政法人国立博物館九州国立博物館, 研究員 (80416560)
伊藤 幸司 (財)大阪市文化財協会, 研究資料課, 室長 (50344354)
沢田 正昭 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 教授 (20000490)
ANDRAS Morgos 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50431680)
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Keywords | 糖アルコール含浸法 / 水浸出土文物 / 彩色顔料 / 保存科学 / 前漢墓 |
Research Abstract |
6月に中国側研究者が九州国立博物館に滞在して彩色顔料の材質分析と材質技法調査を実施した。来日中に水浸出土木材保存の技術移転のために研究交流をおこない、研究協力者である〓南京博物院院長と張金萍南京博物院文物保護研究所副所長が研究発表を行った。また今津が保存修復学会で研究発表を行った。7月から中国側は、保存処理すべき水浸出土文物を選択して本年度分の保存処理を開始した。9月に張金萍は宮崎市で開催された東アジア文化財保存修復国際会議にて発表した。中国側では12月には保存処理後の、寸法安定性、彩色顔料の変色などについて調査を実施した。3月には日本側が南京博物院を訪問し、携帯型蛍光X線分析装置を用いて顔料の非破壊分析を実施した。この研究成果は6月に開催される保存修復学会で研究発表の予定である。また、実際に保存処理した遺物を題材に中国側と研究協議をおこなった。 なお、本研究がきっかけとなって、九州国立博物館と南京博物院は平成19年3月に「文化交流協定」を交わして機関同士の正式な研究協力を開始した。また、平成19年3月に糖アルコール法の保存処理設備を南京博物院に設置して研究基盤の整備を行った。
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Research Products
(5 results)