2008 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴルのプレート内最大級地震断層と活断層に関する変動地形学的研究
Project/Area Number |
18401003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (70222065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 秀昭 広島大学, 文学研究科, 准教授 (40323183)
杉戸 信彦 名古屋大学, 環境学研究科, 研究員 (50437076)
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Keywords | 活断層 / 地震断層 / 写真判読 / リモートセンシング / 変動地形 |
Research Abstract |
モンゴル科学アカデミー地理学研究所との研究協定(平成18年度締結)に立脚して研究を行い以下の成果を得た. (1) Bulnay断層およびその延長部の400 km以上の区間のCORONA衛星画像・航空写真を判読し,断層変位地形の詳細分布図を作成.地形面や段丘崖等に累積的な変位が認められる地点や地震時変位量を計測できる地点を選定し,現地調査に備えた. (2) 平成20年8月,モンゴル地理学研究所の地形学者とともにBulnay断層の現地調査を実施した.調査では,(1)で選定した地点において地形測量を行って変位量を計測したほか,地形面の年代や過去の活動時期を推定するため,ピット(小規模な穴)を掘削して年代測定試料を採取した.帰国後,年代測定試料を分析し,年代値を得た. (3) 累積変位量,1回変位量,年代値データから平均変位速度や地震時変位量の繰り返し方,1回前の活動の時期を解明した. (4) 写真測量システムを用いてALOS/PRISM衛星画像から1回変位量を計測することに成功した. (5) 3年間で得られたGobi-Altay断層・Bulnay断層の分布・累積変位量・1回変位量・年代値データを総括し,国内外の研究事例と比較しつつ,平均変位速度分布と地震時変位量分布の関係,断層線の形態と断層破壊伝播の関係,断層線の形態と活動セグメントの関係等,断層の地震時挙動や変動地形の形成過程に関する考察を行った. (6) Bulnay断層の調査結果に関する学会発表を行った.また両断層における成果を論文化する準備を進めた. (7) モンゴル全土活断層マップや最近の破壊領域マップの作成,古地震データ取得等,本研究に立脚した長期計画を策定した.
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