2006 Fiscal Year Annual Research Report
アフガニスタン国立公文書館所蔵「統治文書」に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18401006
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
八尾師 誠 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20172926)
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Keywords | 一次資料 / 統治文書 / 国民国家 / グレート・ゲーム / アフガニスタン |
Research Abstract |
2004年5月に本学とアフガニスタン・イスラーム共和国情報・文化省との間で締結・調印された協定に基づき開始された、同国国立公文書館所蔵文字資料の調査・整理・保存事業の一環として、企画・立案された本研究"アフガニスタン国立公文書館所蔵「統治文書」に関する基礎的研究"は、三年計画であり、その初年度に当たる2006年度には、同館所蔵の「統治文書」と総称される資料群の全体像を把握した上で、整理作業(目録作成作業)を開始すること、「統治文書」に関する同様の整理・研究をアフガニスタンに先んじて行い、成果の蓄積を有しているイラン・イスラーム共和国にて、関係者との意見交換、関連文献の収集を行うこと、現地アフガニスタンでの上記作業の推進と並行して、本邦におけるアフガニスタン近現代史研究、アフガニスタン地域研究の基礎固めと活性化を図るべく、2004年に立ち上げた「アフガニスタン研究ネットワーク」による研究会、講演会を開催することの三点を基本的目標に設定した。 第一点に関しては、同館所蔵の「統治文書」のほとんどが、いわゆるドッラーニー朝創建以降にかかわるものであり、特に19世紀後半のアミール、アブドゥル・ラフマーン(在位1880〜1901)期に集中していることが判明。総点数は一万点前後とみられるが、このうち、2006年度には、2000点ほどの勅令に関する基礎情報の収集を終えた。 第二点に関しては、都合三回イランを訪問し、アフガニスタン国立公文書館に対して直接復興支援活動も行っているイラン・イスラーム共和国資料機構・国民図書館の関係者との意見交換、情報交換を行い、関連文献の収集を行った。 第三点目に関しては、二回の講演会を開催し、現状況下におけるアフガニスタン復興支援の意義をと本邦の役割を改めて検討・整理し、本プロジェクト推進に当たっての一助とした。
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