2006 Fiscal Year Annual Research Report
北京・天津を中心とした華北の廟会と祭祀組織「香会」の実態研究
Project/Area Number |
18401011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
櫻井 龍彦 名古屋大学, 大学院国際開発研究科, 教授 (60170643)
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Keywords | 宗教学 / 中国哲学 / 文化人類学 / 民俗学 |
Research Abstract |
平18年4月以降の研究調査と研究成果を順を追って述べる。 4月、「妙峰山における『香会」の復活と現代的意義」『中国学の十字路-加地伸行博士古稀記念論集』研文出版,p524-538を発表。 9月1日、2006年度「老舎研究会」年会にて「妙峰山廟会に集う人びと-復活した民間の信仰組織「香会」について」を発表。場所:大阪駅前第3ビル19階大阪産業大学梅田サテライト教室。 9月18日〜21日、北京・天津で祭祀組織を調査し、天津ではシンポジウム『中華媽祖文化学術論壇」で「日本的媽祖信仰-其分布及現状」を発表。論文は『中華媽祖文化学〓論壇論文集』pp28-33に掲載(中国語)。 この期間、北京では秋季の妙峰山孝〓髻山廟会の現地調査をおこない、〓髻山では現存する石碑について写真撮影し、記録にとどめた。碑文の数は多いので、文字起こしは19年度に実施する。香会は2個所訪問調査。〓髻山ははじめての調査であったので、基本状況を把握し、今後の調査のために地元政府に協力を依頼してきた。 天津では天后宮、天津老城博物館の調査と3つの香会を訪問し聞き取り調査。 平19年2月17日〜22日、北京で春節廟会の調査をした。調査地は6個所。北京民俗博物館では副館長らと座談会を開き、とくに朝陽区で観光開発と香会の復活が結びついている点について情報を得た。また正月2日の秉心聖会の調査は香会の巡行に一日密着して参与観察し、全行程をビデオに収めたきわめて意義のある内容となった。 なお中国現地調査時に研究協力を依頼している北京の孫忠慶(中国農業大学副教授)と天津の尚潔(天津老城博物館副館長)による18年度の香会調査結果は、北京ではのべ28日間におよび、8個所の香会を、天津ではのべ71日間におよび、8個所の香会を調査した。随時テープ起こしなどの作業が進んでおり、平20年3月には平19年度の調査とあわせて調査記録の報告書をまとめる予定である。
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