2007 Fiscal Year Annual Research Report
仏教・ヒンドゥー教の東南アジア伝播と王権思想-叙事詩と法典の受容と変容を中心に
Project/Area Number |
18401012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 博司 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
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Keywords | ヒンドゥー教 / インド / 東南アジア / 叙事詩 / マハーバーラタ / ラーマーヤナ / 法典 / 仏教 |
Research Abstract |
平成19年度の目標としてかかげた、東南アジア諸王朝の権力基盤の確立に伴う外来のインド的諸要素について検証の問題を、現地調査をもとに進捗させた。同時に、当該年度の研究目的の二つ目として掲げた東南アジアへの伝播と浸透に伴うインド的文化要素の変容の問題についての考察を進展させた。 具体的には、インドネシアの東ジャワ州・ブロモ山中に暮らすヒンドゥー系の部族民トゥングル人によるヒンドゥー教儀礼Upacara Kasado(カソド儀礼)を9月の満月の日(カソド月)に現地で調査し、映像に収め得たことは収穫であった。これまで日本人研究者による研究がほとんど無かっただけに、重要な意義のあることと考える。儀礼の詳細については、報告を纏め学術雑誌『東方』へ寄稿を準備中である。また前年度に積み残していた道教祭祀(九皇勝會)を、10月にペナンのジョージタウンで参与観察及び現地調査し、東南アジアに伝播・維持されている道教系の儀礼とインド系の儀礼の異同を確認し得た。 ジャワおよびマレーでの調査については、中継地点であるシンガポールに立ち寄り、シンガポール国立図書館の所蔵資料を用いて下調べを行い、書誌的に有効な情報を得ることができた。 東北大学においては、インドネシアやマレーシアの文化理解に必須なムラユ語の習得に努め、ネイティヴ・スピーカー(農学研究科博士課程の留学生)から定期的(原則として週1回)に言語の手ほどきを受け、研究の深化に必要な言語的な知識を得ることができた。
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Research Products
(3 results)