2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18401022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒川 正晴 Osaka University, 文学研究科, 教授 (10283699)
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Keywords | 古代史 / 古文書学 / 史料学 / 中央アジア史 / 新疆 / 中国 |
Research Abstract |
今年度は本研究計画の最終年度であったので、コータン出土文献の所蔵機関で補足的な調査を必要とする機関に加えて、これまでまったく調査できなかった機関を主な調査対象とした。具体的には、ストックホルムにあるスウェーデン国立民族学博物館およびロンドンの大英図書館とパリの国家図書館を選定した。 まず連携研究者である武内紹人が9月にロンドンの大英図書館に、また研究代表者の荒川が11月初旬にスウェーデン国立民族学博物館で調査を行った。さらに本年度の文書調査には、本課題を充実させるために研究協力者として新たに赤木崇敏を加え、2月に大英図書館およびフランス国家図書館における調査に従事してもらった。 とりわけ本研究課題にとって収穫が大きかったのは、荒川のスウェーデン国立民族学博物館での調査で、この調査を通じてHedinが将来したコータン出土の唐代漢文木簡・紙文書を実見することができ、これによりコータン出土漢文木簡・紙文書の性格について新たな知見を獲得できた。 このスウェーデン調査と、前年度に調査した大英図書館所蔵のコータン出土木簡・紙文書に関する調査、および前々年度に行ったサンクトペテルブルクでのコータン出土紙文書の調査とによって、これまで学界にまったく知られていなかった新史料を発見し、さらに従来明瞭ではなかったコータン出土木簡・紙文書の機能を明らかにした。この科研調査成果の一端は、既に2008年9月に「中央アジア学フォーラム」で報告を行った。もちろんその成果は、連携研究者になっている吉田・武内両氏、さらに研究協力者の赤木・坂尻・佐藤諸氏との意見交換の賜物である。
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Research Products
(5 results)