2007 Fiscal Year Annual Research Report
メラネシアにおけるエスノ・ポップの形成過程に関する音楽人類学的研究
Project/Area Number |
18401039
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
山田 陽一 Kyoto City University of Arts, 音楽学部, 教授 (80166743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 淳一郎 弘前大学, 国際交流センター, 准教授 (40336904)
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Keywords | 民族音楽学 / 文化人類学 / ポピュラー音楽 / ワールドミュージック / ニューカレドニア / ヴァヌアツ共和国 / パプアニューギニア / ソロモン諸島 |
Research Abstract |
研究代表者・山田陽一は、ヴァヌアツ共和国の首都ポートヴィラにある音楽制作スタジオ、ヴァヌアタ・プロダクションにおいて、代表ジャン・マーク・ウォン氏の協力のもと、ヴァヌアツ固有の「ストリングバンド音楽」のミュージシャン(人気バンド・ダウサケのヴォーカリストであるフレディ・カロ氏)から、ダウサケの成立史、活動状況、代表的楽曲の歌詞などに関する聞き取り調査を実施し、そのライヴ演奏の映像記録をおこなった。また、新推バンド・シャクラのメンバーともインタビュー調査を実施し、その練習風景の映像を収録した。 さらに、ヴァヌアツを代表するストリングバンドであるソウイアのリーダー、ジョエル・カルタン氏とのインタビューをとおして、20世紀前半におけるエマウ島(ストリングバンド発祥の地)の音楽的状況や1950年代半ばから始まるストリングバンドの成立と展開の歴史について、詳細な情報を得た。 フランス領ニューカレドニアのヌメアにある音楽制作スタジオ、マングローヴ・プロダクションにおいては、代表アラン・ルカンテ氏の協力のもと、「カネカ音楽」のミュージシャン(ディックとナトゥル)とのインタビュー調査をおこない、彼らの音楽観や社会観に関する貴重な見解を得た。 研究分担者・諏訪淳一郎は、ソロモン諸島ホニアラおよびサンタイサベル島において、十数人のミュージシャンから音楽活動および歌詞に関する聞き取り調査を実施するとともに、人びとの音楽聴取行動の観察をおこなった。その結果、かつて主流であったアコースティックギター中心の「ストリングバンド」と竹管楽器を使用する「バンブーバンド」の衰退が著しく、ほぼ完全に電気および電子楽器バンドによるレゲエ音楽に移行していることが明らかとなった。
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