2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカとユーラシアに展開する宗教と商業のネットワークに関する歴史人類学的研究
Project/Area Number |
18401045
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
三島 禎子 National Museum of Ethnology, 民族社会研究部, 准教授 (20280604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 俊司 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (80245274)
井野瀬 久美惠 甲南大学, 文学部, 教授 (70203271)
新免 光比呂 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 准教授 (60260056)
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Keywords | 移動 / 商人 / 宗教 / 文明 / ネットワーク / アフリカ / ユーラシア |
Research Abstract |
平成19年度は昨年度に引き続き、(1)移動が生み出す経済行為の実態に関する調査、(2)宗教ネットワークと経済行為の関連についての調査、(3)文献調査にポイントをおき、各研究分担者がそれぞれの地域で調査を実施した。 三島は80年代におけるアフリカ商業民のアジアへの移動の中心となったタイのバンコクで、移動と経済活動に関する最新の動態を調査した。また、商業の歴史的継続性に関する比較研究の一環として、モロッコの市場の調査をおこない、サハラ以南のアフリカに広がったイスラームと市場のシステムに共通性があることを発見した。保坂は、タイへ移動したシク教のコミュニティに関する調査および資料収集をおこなったほか、他の研究助成も合わせて、中国とベトナムにおいても調査を実施した。井野瀬は奴隷貿易における人の移動に関する文献調査をおこない、大英帝国に関する帝国観に対してアフリカ側からの分析を試みた。この成果は、別紙の業績にあるとおり、すでに単著として刊行されている。新免は、地中海経済圏で重要な役割を演じていたユダヤ商人の痕跡を辿りつつ、現代の地中海経済の実状を調査した。研究の展開上、今年度はアフリカ側ではモロッコ、アラブ・ヨーロッパ双方の接点としてマルタ島において調査をおこなった。海外共同協力者のシセは、前年度の研究成果の報告をかねて来日し、古代フェニキアの故地であったレバノン出身である商人の今日的な経済活動について、われわれと有益な意見交換をおこなった。またアフリカへの中国人の経済進出の最新の情報についても報告した。 昨年度の成果に加えて、世界レベルで経済ネットワークをもつ商人についてさらなる情報と知見を得ることができた。とくにその地理的拡大と歴史的連続性をつなぐための重要な要因として宗教をとらえることによって、人類の移動について発想の転換と新たな分析枠の構築につながる考察を深めることができた。
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Research Products
(16 results)
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[Book] シク教2007
Author(s)
グリンダル・シン・マン(保坂 俊司訳)
Total Pages
207
Publisher
春秋社
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