2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦争処理過程における人の移動と定着ー民主化支援からオートノミー(自律性)構築へ
Project/Area Number |
18402016
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 久枝 名古屋大学, 大学院国際開発研究科, 教授 (40207832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定形 衛 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20178693)
吉川 元 神戸大学, 大学院法学研究科, 教授 (50153143)
|
Keywords | トランスナショナル / 国際協力論 / 国際交流論 / 国際社会エスニヒティ / グローバル・イシュー |
Research Abstract |
(1)研究代表者は、トルコにおけるイラクからのトルコマン難民の調査及びマケドニア、コソボにおける戦争処理過程について聞き取り調査を行った。その結果、イラクでの油田周辺の移住政策が民族浄化や少数民族の強制移住に影響を与えていること、またマケドニア及びコソボについては、旧ユーゴの解体後、それぞれの国家と地域に各民族の住み分けが確立したが、その推移はコソボのように政治的ステータスが流動的であることが確認できた。定形は、ギリシャ国際問題研究所、ギリシャ民族博物館、旧ユーゴスラヴィア紛争をはじめとする冷戦後のバルカンの紛争とギリシャの関わり方を歴史的、政治的、文化的視座から分析し、正教徒国家ギリシャ、および正教会のセルビアを取り巻く調停に果たした役割について大いなる示唆を得た。吉川は、アルメニア共和国のナゴルノ・カラバフにそれぞれ現地調査を実施し、旧ユーゴの解体及びギリシャのEU加盟によりいかなる民族の移動が生じたか、それがいかなる社会変動をひきおこしているか、を明らかにし、それに対する当該社会の対応についてコミュニティレベルで調整が行われている点を実証した。また、アルメニア共和国に対する他国のアルメニア・ディアスポラからの支援状況、当該地域へのアルメニア人支配の構造について明らかにした。 (2)2006年8月には、トルコの戦略研究センターと共催で「紛争地における人の移動」という国際シンポジウムを開催し、トルコ、イギリス、アゼルバイジャン、日本からの研究者が、ナゴルノ・カラバフ、イランのアフガニスタン難民、イラクのトルコマン難民などについて、調査報告と討論を実施した。その報告書のとりまとめを現在行っている。 (3)研究会は、3回実施し、それぞれの研究報告と平成19年度の研究計画を立案した。
|
Research Products
(8 results)